CD時代の終焉?
別に格好を付けているわけではないが、私はクラシック音楽を良く聴いている。
毎週のように「のぞみ」に乗って東京・大阪間を往復しており、その間はヘッドホンを付けたままの状態である。
もちろん、携帯型の小型再生装置(具体的な商品名は伏せておこう)で音楽を聴いているわけである。これによって、同一車両内のどこかで耳障りに響く、行儀の悪い他の乗客の携帯着メロや、赤ん坊の泣き声などが、しばしの間、シャットダウンできる。
そのための音源として、大手CD販売サイトから、毎月のようにCDを大量購入して、せっせと小型再生装置に入れている。音楽CDを、いわゆる「大人買い」していることになる。
今日のような休日には、ヘッドホンをかぶった状態で、締め切りに追われて原稿を執筆している。
ところが、このところ、クラシックCDの世界に異変が起こっている。
どんどん単価が下がっているのだ。
例えば「ドイツ・グラモフォン111周年記念コレクターズ・エディション2」は、CD56枚で、10,332 円。
1枚あたりの単価に直せば185円となる。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3903405
そんなに安価であっても、超豪華なピアニスト、指揮者、オーケストラが並んでいる。
著作隣接権切れのモノラルも数枚だけ混じっているが、それ以外はれっきとしたステレオ。2008年1月録音のものさえ入っている。
ちなみに、クラシックという名称のとおり、作曲家の著作権は、そのほとんどが保護期間切れで消滅している。
同様に、CD60枚の「VIVARTE BOX」も11,990 円だから、こちらも1枚あたりの単価が200円を割っている。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3957045
さらに激安は、英ロイヤル・フィルの『グレート・クラシカル・マスターワークス』。
こちらはCD30枚組で3,080円だから、1枚あたりの単価は約100円。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3919872
これに含まれているのは、駅でワゴン販売していた低価格CDが多いが、1990年代後半の録音、つまりデジタルが中心である。
よく売れているようで、このたび、同一価格帯の「続編」まで発売となった。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3964119
まるで海賊版と間違えるような価格だが、すべて正規盤。すでに入手しているものについては、新譜で発売されたころに、2、3千円を出して購入した昔がうらましい。
ただし輸入盤であり、国内CDが高いことと好対照である。
それはともかく、この輸入盤の激安傾向、消費者として安売りは結構なことだが、この価格で製作・流通コストを回収できるのか。
それに、最近の若い人たちはダウンロード販売で購入することが主流であり、CD購入者は、私のような中年が中心のようだ。
こうして、いろいろ考えていると、所詮「人ごと」ながら、CD時代の終焉ではないかと、要らぬ心配をするのは、私だけなのだろうか。
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