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2010年12月12日 (日)

法律論文等での条文に関する表記方法

法科大学院の学生たちが書いてくるものには、法律論文等での条文に関する表記方法について、どうも迷いがあるようだ。

これは法律論文だけでなく、訴状、準備書面、判決等を各場合に、法曹として一生使うことになるので、良く覚えておいてもらいたい。

まず、特定の法令に関する論文であることが明確な場合は、「著作権法」のような法令名をいちいち書く必要はない。例えば著作権判例百選の解説文のような場合である。

ただし、上記明確性がある場合でも他の法律の条文も入ってくる場合や、まして上記明確性がない場合には、区分しておくことを要する。

しかし、その場合でも、いちいち各条文に「A法」と書くことは、読んでいてうるさいだけでなく、徒にスペースと時間を費やすことにもなる。

したがって、続けて同一の法律の場合には「同法」とし、他の法律(B法)が入ってきたときは、その名称(B法)を冠する。さらにB法が続いて登場すれば、「同法」と表記する。

同様の理由で、直前の引用条文と条が同一なら「同条」、項が同一なら「同項」とするのが普通である。号の場合も同様。

次に、「第 条」「第 項」等の「第」は原則として記載不要。もっとも、「第」を付けたからといって間違いとなることはない。現に、霞ヶ関の中央省庁が作る行政文書の場合には、通常、条項号にそれぞれ「第」を付けている。

「第」を付けない場合でも、その例外として「23条の2第1項」のように、枝番がつく場合には、その直後に項を並べる部分に限って「第」を付ける。付けなければ「23条の21項」となって、別の意味になるからである。項や号に枝番がつく場合も同様の扱いとなる。

学生の中には、「法」と冠する人もいる。

これは「規則」を示す「規」、「政令」を示す「令」と区別するために冠されることが通常である。それ以外の場合には、「法」を付けると、実務等では奇異な印象を与えるので、使わない方がいい。

以上は、論文を書く上での慣習法のようなものである。クルマのハンドルを握る場合の交通ルールのようなものだ。

こうした形式的な箇所で迷わないように、しっかり覚えておいてもらいたいものだ。

2011.1.14追記-関連項目

法律論文における出典の表記方法

http://hougakunikki.air-nifty.com/hougakunikki/2011/01/post-1a26.html

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