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2011年1月

2011年1月31日 (月)

著作権法115条の読み方

先般、このブログに「著作権法116条の読み方」
http://hougakunikki.air-nifty.com/hougakunikki/2011/01/116-45d2.html
をアップしたところ、予想外のアクセス数があったので驚いた。

おそらく、「116条(著作者又は実演家の死後における人格的利益の保護のための措置)の読み方が分からない」と悩んでいる人は、学生であれ、企業法務であれ、こちらで考えていた以上に多かったようだ。

さらに、116条1項にいう「前条」、つまり115条の読み方が分からないとして、直接、115条の解説を依頼する声も複数いただいた。

まず、115条は、次のような条文である。条文の部分はフォントの色を変更している。

(名誉回復等の措置)
第115条 著作者又は実演家は、故意又は過失によりその著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者に対し、損害の賠償に代えて、又は損害の賠償とともに、著作者又は実演家であることを確保し、又は訂正その他著作者若しくは実演家の名誉若しくは声望を回復するために適当な措置を請求することができる。

これを名誉回復等措置請求権という。

著作者人格権・実演家人格権の侵害によって生じた損害は、その性格上、本来金銭賠償により償いきれるものではない。そこで、一種の原状回復的な措置として本条を置いた。これが本条の制度趣旨である。

人格権侵害に対する差止請求は、一般に、単に「侵害行為を禁止することができる」だけなのだが、本条の要件を満たせば、「著作者又は実演家であることを確保し、又は訂正その他著作者若しくは実演家の名誉若しくは声望を回復するために適当な措置」を請求しうるので、実務的に見れば、その限度で救済手段が実質的に拡張されていることになる。

要件事実をいちいち書く時間がないので、岡村久道『著作権法』から引用しておく。同書513頁に掲載した図である(無断転載を禁止する)。

211

この中で、「⑤故意・過失」が要件となっている。したがって、差止請求のように無過失で認められるものではない。注意してほしい。

本条で認められるのは、通説によれば、次の2つの措置である。これらのどちらかに該当することが、本条の要件でもある。

a.「著作者又は実演家であることを確保……するために適当な措置」

b.「訂正その他著作者若しくは実演家の名誉若しくは声望を回復するために適当な措置」

これに対し、東京地判平成21年5月28日平19(ワ)23883号(駒込大観音事件)は次の3分類を提唱する。

a.「著作者又は実演家であることを確保……するために適当な措置」

b.「訂正……するために適当な措置」

c.「その他著作者若しくは実演家の名誉若しくは声望を回復するために適当な措置」

いずれにしても、それぞれを見ただけでは何のことか理解が困難であるが、a.は著作者人格権・実演家が氏名表示権を侵害された場合を念頭に置いている。

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さて、本条に関し、他に整理すべき点を掲げておく。

例によって、設問の末尾に掲げている「本書」の頁数は、私の本の頁数であるから、持っている人はご覧いただきたい。

・ 本条と民法723条とは、どのような関係に立つか(本書511頁)。

・ 「損害の賠償に代えて、又は損害の賠償とともに」と明記されていることとの関係で、本条の措置請求は、損害賠償が可能な場合に限られるか(本書512頁)。

・ 「名誉若しくは声望」とは何か(本書514頁)。

・ 上記b.「訂正……するために適当な措置」として原状回復を請求することはできるか(本書512頁)

・ 「適当な措置」は、謝罪広告に限られるか、それとも他にどんな手段が可能か(本書514頁)。

・ 謝罪広告等が認められるための要件は(本書515頁)。

・ ホームページ上への謝罪広告掲載を認容した判例はあるのか(本書515頁)。

・ 認容判決の執行方法として何ができるか(本書516頁)。

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参考-「著作権法116条の読み方」
http://hougakunikki.air-nifty.com/hougakunikki/2011/01/116-45d2.html

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2011年1月30日 (日)

お気に入りのシベリウス交響曲7番

1926年生まれのジョン・コルトレーンが死んだのは1967年のこと。

セロニアス・モンクはコルトレーンよりも早い1917年生まれで、1940年代初めから活動を開始して、1982年に亡くなった。ちなみにマイルス・デイヴィスは 1926年生まれ。ビル・エヴァンスも1929年生まれだ。

これに対し、フィンランドの作曲家・シベリウスは19世紀の1865年生まれだが、1957年まで生きて91歳で亡くなっている。

とすれば、コルトレーンやモンクなどと同世代とはいえなくても、生きた時代が、ずいぶん重なっていることが分かる。

つまり、シベリウスが生存中の時代に、すでにジャズが隆盛期を迎えていた。1954年末には、レコーディング中にマイルスとモンクが有名な大喧嘩をして袂を分かっている。シベリウスが、そんなニュースに接したか、接したとしても興味を持ったかどうかは分からないが。

しかし、シベリウスの作品といえば、ラヴェルと違って、ジャズの影響は見られない。というのも、1925年に発表した交響詩「タピオラ」を最後に、作品が発表されていないからだ。これを後世の人々は「謎の沈黙」などと呼んでいる。真相は、第8交響曲を書き直し続けたが自分で気に入らなかったので、とうとう発表することなく人生を終えたということらしい。

それはともかく、シベリウスが初期に後期ロマン派風の作品を書いていることも、なんとなく、かなり前の世代の人であると、誤解される原因になっているのだろうか。

そのシベリウスだが、感覚的に自分と合うのか、少なからぬCDを購入して現在に至っている。

中でもお気に入りは、最後の交響曲である7番。

それにしても最初に聞いたものが強烈すぎた。約30年前に購入したムラヴィンスキー、レニングラード・フィルによる1965年のモスクワ音楽院大ホールでのライヴである。当時はCDではなくLPだった。

ムラヴィンスキー、レニングラード・フィルのコンビによる同一曲演奏には「1977年東京ライヴ」もあり、それも聴いてみたが、このコンビの持ち味である凝縮性は、「1965年モスクワライヴ」の方が、優れていると思う。但し、録音のせいかもしれないが。。。

この7番は、交響曲といっても単一楽章のもの。ゆったりとしているが厳粛な序章に続いて、トロンボーンによる第1主題が登場。まるでフィヨルドの絶壁に打ち寄せる波のように広がる。弦によって示される強く逆巻く寒風(ひとつ間違えると蠅が飛んでいるような音を出す指揮者が居るが)、厚く立ちこめる雲間から時折のぞく日差し。

ムラヴィンスキーの演奏をゲテモノと言うなかれ。本当に最後まで心地よい緊張感を持続する。この演奏に出会わなければ、おそらくこの曲の良さが分からなかったはずだ。

セルゲースタム/ヘルシンキフィル等のお国ものから、渡邊暁雄/ヘルシンキフィル、バーンスタイン/ウイーンフィル、マゼール/ウイーンフィル、ロジェストヴィンスキー/モスクワ国立、アンソニー・コリンズ/ロンドン交響楽団に至るまで聴いたが、どうもムラヴィンスキー「1965年モスクワライヴ」ほどしっくりいかない。

というわけで、この「1965年モスクワライヴ」は現在でも愛聴版である。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1913533
に含まれていて今でも入手できる。

シベリウス好きの方は、ぜひ一度聴いてみてほしい。

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2011年1月29日 (土)

総務省自治体クラウド推進本部有識者懇談会「とりまとめ」へ

2011年1月20日に開催された総務省の自治体クラウド推進本部 有識者懇談会(第4回)の配付資料が、総務省サイトで公表されている。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/lg-cloud/39859.html

私も、この懇談会の委員として出席した。

資料の中でも注目は、有識者懇談会とりまとめ(案)。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000099227.pdf

その6頁以下に記載された「クラウド導入に係る諸課題」が重要だ。

「導入に係る諸課題」として、次の事項が指摘されている。

(1) カスタマイズの制約

(2) 相互運用性の確保

(3) 情報セキュリティに係る技術的対策

(4) 情報セキュリティに係る法的留意点

上記(4)では、次の点が指摘されている。文字色を変更している部分が引用部分である。

自治体とクラウドサービス事業者間の権利義務関係は、原則としてサービス提供契約の内容によって定まるので、必要な情報セキュリティに係る項目をあらかじめ契約内容に盛り込んでおかなければならない。しかし、契約によるコントロールには一定の限界もあることから、次のような点にも留意すべきである。

ⅰ 例えば、サーバ所在地国の法令によって、当該国の政府に対して通信のデータ内容を開示しなければならない義務が課されている場合には、データの機密性は保たれないことになる。これは、当事者の合意で左右できない。このような課題に対応し、SLA等を確実に担保するためには、契約の規定でデータセンターの設置場所やアクセス区域を国内に限定する必要がある。また、民事裁判管轄・準拠法についてもサービス提供契約に特約が置かれることが一般的であるが、国内でなければ事実上の限界が生じる場合がある。

ⅱ クラウドサービス事業者に求めるセキュリティ対策を明確にし、サービス水準をSLA等で十分に担保するなど、自治体とクラウドサービス事業者双方の責任分界点を明確化することが必要である。しかし、クラウドサービスの場合、その利用形態が情報システムの所有から利用へと根本的に変化すること、また、仮想化技術や分散処理技術、マルチテナント対応ソフトウェアなど、クラウドサービスを構成する技術は、新たなセキュリティ対策の実施を要請する可能性もある。したがって、従来の手法によるセキュリティマネジメントが利きにくいことに留意すべきである。

ⅲ データセンターが国内に所在するとしても、クラウドサービス事業者の施設への立ち入り監査を各自治体が個別に実施することには困難を伴うことも想定される。したがって、第三者による保証型監査等により、クラウドサービス事業者のセキュリティ対策の的確な実施を実際に担保する等の対策も有効であると思われる。

ⅳなお、庁内LANやパソコンのセキュリティ管理、アクセス制御の方針決定とIDパスワードの管理、職員のセキュリティ意識の向上等、利用者である自治体の責任で行うべき情報セキュリティ対策は、引き続き的確に実施し、その管理レベルを高めていくことが求められる。

特に「契約の規定でデータセンターの設置場所やアクセス区域を国内に限定する必要がある。」とする点が重要であろう。

ちなみに、これまであまりクローズアップされてこなかったが、「外字」の問題が大きな課題となる。

これまで、人名、地名の表記に必要な外字は、ベンダ、そして自治体ごとにまちまちだった。クラウドに移行する際にどうすべきか、別の機会に、少し詳しく論じてみたい。

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2011年1月27日 (木)

著作権法116条の読み方

著作権法116条(死後における人格的利益の保護のための措置)
の読み方が分かりにくいという声を、法科大学院の学生から良く聞く。

恥を忍んで自白すると、実は、昔、筆者自身が初めて同条を見たとき、最初は何の意味やら理解できなかった。

次のようなものであり、フォントの色を変更しているのが条文の部分である。

(著作者又は実演家の死後における人格的利益の保護のための措置)
第百十六条 著作者又は実演家の死後においては、その遺族(死亡した著作者又は実演家の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹をいう。以下この条において同じ。)は、当該著作者又は実演家について第六十条又は第百一条の三の規定に違反する行為をする者又はするおそれがある者に対し第百十二条の請求を、故意又は過失により著作者人格権又は実演家人格権を侵害する行為又は第六十条若しくは第百一条の三の規定に違反する行為をした者に対し前条の請求をすることができる。
2 前項の請求をすることができる遺族の順位は、同項に規定する順序とする。ただし、著作者又は実演家が遺言によりその順位を別に定めた場合は、その順序とする。
3 著作者又は実演家は、遺言により、遺族に代えて第一項の請求をすることができる者を指定することができる。この場合において、その指定を受けた者は、当該著作者又は実演家の死亡の日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した後(その経過する時に遺族が存する場合にあつては、その存しなくなつた後)においては、その請求をすることができない。

そこで、同様の悩みのある初学者もおられると思うので、拙著『著作権法』(2010)商事法務の読者向けに、少し解説を補いたい。このブログは、プロフィール欄
http://hougakunikki.air-nifty.com/about.html
にも記載したとおり、自分の著書について、その読者向けに、最新問題の解説を補う意味も持っている。

116条は、著作者・実演家の「死後における人格的利益の保護のための措置」(同条の表題)を規定したものである。

ところが、その権利内容を定めた同条1項は、単一の事項を定めたものではない。①著作者・実演家の死後に生じた人格権侵害相当行為に対する救済と、②その生前に受けた人格権侵害行為に対する死後の救済の双方について、単一の条文内にカップリングして定めたものである。

前記表題も、この両者を併せたものなので、このように題されているのである。しかし、別々の二つのものを一つにまとめたことが、法文を読んでいて分かりにくい原因でもある。

次の図を見て欲しい。

A

まず、①著作者・実演家の死後に生じた人格権侵害相当行為に対する救済については、 60条・101条の3違反(のおそれがある)行為が対象となっている。

60条は、著作者人格権関連の規定である。
著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなった後でも、原則として、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならないと定めている。
著作者人格権は著作者の死亡によって消滅するという建前とは別に、60条の限度で死後も保護されているのである。
制度趣旨その他の詳細は同書324頁を参照のこと。

101条の3は、実演家関連の規定である。60条とほぼ同趣旨を定めている。

ところが、いくら両条で死後の人格権侵害相当行為を禁じても、著作者・実演家が死亡した後は、もはや自ら権利行使できない。
そこで、著作者等の人格と密接な関係があり生前の意思を最も適切に反映できる特定の遺族に権利行使させる必要が生じた。
それによって、著作者等の死後における人格的利益の保全を可能にするため、116条が設けられた。これが、同条が前記①を対象とした趣旨である。
詳細は同書325頁を参照のこと。

しかし、考えてみれば、前記①だけでなく、前記②の、著作者・実演家が生前に受けた人格権侵害行為についても、著作者・実演家が死亡した後は、もはや自ら権利行使できない点に変わりがない。
そこで、同条は前記②も対象とした。このようにして別々の二つのものを一つにまとめたのが同条なのである。詳細は同書325頁を参照のこと。

さらに「ところが」は続く。

前記①(死後の人格権侵害相当行為)について、116条は遺族に
a.60条・101条の3違反(のおそれがある)行為に対する差止請求権(116条前段)
b.60条・101条の3違反行為に対する名誉回復等措置請求権(116条後段)
を与えている。

これに対し、前記②(生前の人格権侵害行為)については、人格権侵害行為に対する名誉回復等措置請求権だけを与えている (116条後段)。

そのため、116条の法文の書きぶりは混迷を極め、一読して理解できない状態となっている。

これを図示すると、上掲の図のとおりとなる。
以上の説明を、この図と照らし合わせれば、少しは理解できるはずである。

要するに、死後の侵害相当行為に対する差止請求権は同条前段、名誉回復等措置請求権は同条後段に、生前の侵害行為と死後の侵害相当行為をまとめて書いたため、こんなにややこしい法文になってしまったのである。

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ちなみに、それでも問題は残っている。
すぐに思いつくべき基本的なものだけを掲げても、次のようなものがある。

まず前記①(死後の人格権侵害相当行為)について

A.損害賠償請求権は行使できないのか(同書422頁)。
B.なぜ不当利得返還請求権は行使できないのか(同書415頁)。
C.死後の著作権侵害に対する救済はどうなるのか(同書422頁)。

次に前記②(生前の人格権侵害行為)について

D.なぜ116条は②について差止請求権を認めていないのか(同書421頁)。
E.なぜ不当利得返還請求権は行使できないのか(同書415頁)。
F.生前に著作者が名誉回復等措置請求訴訟を提起していた場合には、同条に基づく遺族の名誉回復等措置請求権と、どのような関係に立つのか(同書325頁)。
G.生前の著作権侵害に対する救済はどうなるのか(同書421頁)。

例えばBとEについては、不当利得返還請求権は著作財産検討の財産権を対象に認められる性格のものなので、そもそも人格権について認められるべき性格のものではないからである。
また、一般にDは侵害やそのおそれが生前に終了し、その後に著作者等が死んでいるので、死後には侵害行為が終了しており、差止請求を認める必要がないからである。

後の点は、一度読者が自分で考えてみてもらいたい。考えても分からないときは、AからFまでの末尾に同書の該当頁を示しておいたので、お持ちの方は、ご覧いただきたい。

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追記 参考-「著作権法115条の読み方」
http://hougakunikki.air-nifty.com/hougakunikki/2011/01/115-e3ce.html

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2011年1月26日 (水)

サイバー攻撃ツールキットの普及がもたらす悪夢

サイバー攻撃ツールキットに関するレポートを、シマンテック日本法人が、2011年1月20日付けで公表した。

ツールキットの使いやすさと収益性の高さから、攻撃が急速に拡散し、攻撃者の種類が増えているという内容であるが、細部を読むと、より興味深い。

サイバー攻撃ツールキットとは、ネット上のコンピュータを攻撃するためのソフトウェアである。

かつてサイバー攻撃は単なる「愉快犯」が主流を占める時代があった。それに用いるツールも、個人的なスキルを生かした「手作り品」であることが一般的であった。ある意味では牧歌的な時代であったといえよう。

ところが、最近ではプロ犯罪化している。サイバー攻撃を仕掛けておいて、「攻撃を止めて欲しければ大金を支払え」というメールを送り付けるのである。これは一種の恐喝犯である。攻撃にはボットネットによるDdosなども利用されている。

このあたりについては、業界では常識に属すると言っていい。

レポートは、その手段としてサイバー攻撃ツールキットが利用されるケースが多いと指摘している。いわばサイバー犯罪の技術的な「敷居」が低くなっているのだ。

そのため、従来の犯罪行為の専門知識を持つ者が、新規参入して、犯罪者の種類が増加するにつれて、攻撃数も急増すると見ているのである。

これとともに、ツールキットも高性能化しているという。苦笑せざるを得なかったのは、このレポートによると、いまやツールキットについて定期的アッデート機能、機能拡張用コンポーネント、サポートサービスまでも提供される一方、「不正コピー」されないように、コピーコントロール機能まで具備しているという。まるで商業パッケージソフトのように。

このレポートは、シマンテック日本法人サイトの
http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20110120_01
で読むことができる。

さて、世の中ではクラウドへの移行が声高に叫ばれている。

しかし、脆弱なデータセンターであれば、こうしたサイバー攻撃の前に、ひとたまりもない可能性が懸念される。

中にはSLAで自己の責任の限定に躍起になっている大手ベンダもあるが、無責任なベンダに大切なデータを預けると、預けた企業としては、命がいくつあっても足りないことになりかねないことを、肝に銘じるべきであろう。

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2011年1月24日 (月)

個人信用情報開示の求めが問題となった事例

次の記事が出ている。
http://www.asahi.com/national/update/0122/TKY201101220289.html

この記事によれば、東証一部上場企業である警備会社が、不祥事が相次いだのかどうかは知らないが、トラブル予防などを理由として、全従業員(約2万人)に自己の個人信用情報について提出させようとしたようだ。

同一企業の従業員から大量の開示の求めを受けたため、不審に思った信用情報機関側から「目的外利用」ではないかと止められたらしい。

たしかに警備の仕事だけに、借金苦の従業員が居るようでは不安なのも分かる。

しかし、そのための手段として、個人情報保護法25条の「開示の求め」を使ったのは、どうにも腑に落ちない。

この制度は、本人が、自己のどのような情報が事業者に保有されているのかを確認し、それによって、同姓同名の破産者と取り間違えられているなど、内容が事実に反することが判明すれば、さらに訂正等を求めることなど(同法26条以下参照)を可能にするための制度だ。

個人信用情報にしても、適正な与信と多重債務発生防止のために利用されるものとして位置付けられている。

いずれにせよ、身辺調査のための「証明書代わり」を目的とするものなどではない。

このような事が認められるなら、東証一部上場から零細企業まで、各企業は就職採用時や昇進時に、各従業員に対し、「個人信用情報の開示を受けて、それを提出せよ」と号令を掛けることができることになってしまう。

「任意提出のつもりだった」などと言っても、納得できるか疑わしい。

今回のやり方は、マスメディアから批判されても仕方があるまい。

東証一部上場企業である以上、どこかの弁護士に事前相談したはずだが、どうして顧問弁護士は止めようとしなかったのか、疑問は広がるばかりである。

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2011年1月23日 (日)

「最近の個人情報保護を めぐる諸問題」(講演)

業務連絡がてら、少し宣伝をさせてください。

明日(2011年1月24日)の夕刻、18時30分から、大阪弁護士会館で、弁護士研修の講師として、上記題名にて講演をします。

最初に、「個人情報保護法全面施行後の状況」として、過剰反応・過剰保護の状況と原因について説明し、続いて「近時の状況」として、下記のとおり、新たな課題について説明します。

・グーグルストリートビュー-インターネット道路周辺映像提供サービス問題

・ライフログ問題

・クラウドコンピューティングとプライバシー権

・プライバシーコミッショナーのような第三者機関の必要性に関する議論

大阪弁護士会に、暇な会員はおられないでしょうが、忙しい先生方も、是非、法廷の帰りにでも、聴きに来てください。

研修の単位も、ちゃんと付きます。

詳しくは大阪弁護士会事務局までお問い合わせください。

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2011年1月22日 (土)

朝日新聞〈メディア激変〉法と安全

朝日新聞、2011年1月21日の記事「〈メディア激変194〉法と安全―3 情報セキュリティーの行方」にインタビューの形で出演しました。

http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201101210381.html

です。

興味がある方は、ご覧ください。

編集委員の平さん、たいへんご苦労さまでした。

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2011年1月21日 (金)

参考-ロクラクⅡ控訴審判決(知財高判平成21年1月27日)

「速報-最高裁が「ロクラクⅡ」も原判決を破棄差し戻し(平21(受)788号)」

http://hougakunikki.air-nifty.com/hougakunikki/2011/01/post-bdcf.html

の参考資料として、控訴審である知財高裁判決を掲載しておく。

但し、長い判決なので、「当裁判所の判断」部分だけを抜き出している。

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第3 当裁判所の判断

 1 争点1(本件サービスにおいて,控訴人は,本件番組及び本件放送に係る音又は影像の複製行為を行っているか)について

 (1) 事実関係

 本件サービスに関する事実関係(本件サービスの開始後における親機ロクラクの設置状況を除く。)は,次のとおり加除訂正するほかは,原判決48頁21行目から60頁末行までに説示のとおりであるから,これを,ここに引用する。

 ア 原判決48頁21行目の「証拠」を「掲記の証拠」と改める。

 イ 原判決52頁1行目の「接続作業」を「設定作業等」と,3行目の「親機ロクラクを接続して」を「親機ロクラクによる」と,18行目の「子機ロクラクを接続して」を「子機ロクラクによる」とそれぞれ改める。

 ウ 原判決55頁3行目の「,弁論の全趣旨」を削り,4行目の「本件モニタ事業から,本件サービスに移行する間の」を「本件モニタ事業期間中の」と改め,19行目の「2の14」の次に「。以下「本件レンタル規約」という。」を加える。

 エ 原判決56頁19行目の「斡旋が行われている」を「斡旋をする旨の記載がある」と改め,21行目の「画面上」の次に「(甲10)」を加え,22行目の「標章」から23行目末尾までを「標章を用いるなどしていた(甲1)。」と,25行目の「以下のとおり規定されている」を「以下のとおりの規定がある」とそれぞれ改める。

 オ 原判決59頁26行目の次に行を改めて次のとおり加える。
「a控訴人は,本件サービスの利用申込みをすることができる者を「非営利目的で個人利用の範疇で利用されるお客様」に限定し,「営利目的の団体,法人及び個人」は本件サービスを利用することができないこととしている(甲2の12,2の14,24の9)。」

 カ 原判決60頁1行目の「本件サービス」を「b本件サービス」と,6行目の「入力する」を「選択する」と,19行目から20行目にかけての「番組表情報閲覧請求」を「番組表情報閲覧要求」と,同行目の「同請求」を「同要求」とそれぞれ改め,22行目の次に行を改めて「なお,控訴人は,先行仮処分決定の後,暫定的な措置として,同決定において複製禁止対象とされたテレビ番組を除外した控訴人作成の番組表を子機ロクラクが取得するとの新技術を開発し,本件サービスにおいて運用している(甲24の1)。」を,26行目の次に行を改めて次のとおりそれぞれ加える。
「オ 親子ロクラクのセットの販売
少なくとも平成19年10月ころまでの控訴人サイト(甲2の1~2の35,3の1~3の28,4の1~4の28,24の1~24の25)には,親子ロクラクのセットを,業務用としてではなく一般利用者向けに販売する旨の記載は全くなく,また,現在の控訴人サイト(甲60の1~60の4,乙36の1~36の3。いずれも原判決の言渡後に提出されたものである。)には,親子ロクラクのセットを販売する旨の記載(甲60の3,60の4,乙36の2,36の3)が設けられているが,その内容は,顧客に親子ロクラクのセット購入を勧める文言が一切ないし,その販売価格は39万8000円とされている。」

 (2) 本件サービスの開始後における親機ロクラクの設置状況について本件サービスの開始後における親機ロクラクの設置状況については,前記第2の3(1)のとおり,当事者双方に争いのあるところであるが,仮に,被控訴人らが主張するとおり,親機ロクラクが控訴人の管理・支配する場所に設置されているとしても,次項において認定判断するとおり,本件サービスにおいて控訴人が本件番組及び本件放送に係る音又は影像の複製(以下「本件複製」という。)を行っているものと認めることはできないから,以下,当該設置状況については,利用者が親機ロクラクを自己の管理・支配する日本国内の場所(留守宅等)に設置することを選択した場合(以下「利用者が親機ロクラクを自己管理する場合」という。)を除き,すべて控訴人の管理・支配する場所に設置されているものと仮定して検討することとする。

 (3) 検討

 被控訴人らは,①本件サービスの目的,②機器の設置・管理,③親機ロクラクと子機ロクラクとの間の通信の管理,④複製可能なテレビ放送及びテレビ番組の範囲,⑤複製のための環境整備,⑥控訴人が得ている経済的利益を総合すれば,控訴人が本件複製を行っていることは明らかである旨主張するので,以下,上記(1)及び(2)の事実関係等を前提に,本件サービスにおいて控訴人が本件複製を行っているものと認めることができるか否かについて,被控訴人らの上記主張に即して検討する。

 ア 本件サービスの目的について

 被控訴人らは,本件サービスの目的は,海外に居住する利用者を対象に日本国内で放送されるテレビ番組をその複製物により視聴させることのみにある旨主張する。
 確かに,上記(1)によれば,本件サービスが,主として,海外に居住する者を対象として,日本国内で放送されるテレビ番組を受信・複製・送信して,海外での視聴を可能にするためのもの(日本国内で作成された複製情報を海外に移動させるもの)であることは明らかというべきである。
 しかしながら,海外にいる利用者が親機ロクラクを自己管理する場合(この場合に,控訴人が本件複製を行っていないことは明らかである。)であっても,その目的は,日本国内で利用者自身が管理する親機ロクラクで国内で放送されたテレビ番組を受信・複製・送信し,これを海外で視聴可能にすることにあるのであるから,上記認定の本件サービスの目的と何ら変わりはないのである。もっとも,控訴人が親機ロクラクを管理する場合においては,他人である海外の利用者をしてテレビ番組の視聴を可能ならしめることを目的とする点で,当該利用者自身がテレビ番組の自己視聴を目的として親機ロクラクを自己管理する場合と異なるが,本件複製の決定及び実施過程への関与の態様・度合い等の複製主体の帰属を決定する上でより重要な考慮要素の検討を抜きにして上記の点のみをもって控訴人が本件複製を行っているものと認めるべき根拠足り得る事情とみることはできない。

 イ 機器の設置・管理について

 被控訴人らは,本件サービスにおいては,控訴人が,親機ロクラクとテレビアンテナ等の付属機器類とから成るシステムを一体として設置・管理している旨主張する。
 しかしながら,被控訴人らが主張する上記事実は,控訴人が本件複製を行っているものと認めるべき事情たり得ない。その理由は,次のとおりである。
 すなわち,本件サービスの利用者は,親機ロクラクの貸与を受けるなどすることにより,海外を含む遠隔地において,日本国内で放送されるテレビ番組の複製情報を視聴することができるところ,そのためには,親機ロクラクが,地上波アナログ放送を正しく受信し,デジタル録画機能やインターネット機能を正しく発揮することが必要不可欠の技術的前提条件となるが,この技術的前提条件の具備を必要とする点は,親機ロクラクを利用者自身が自己管理する場合も全く同様である。そして,この技術的前提条件の具備の問題は,受信・録画・送信を可能ならしめるための当然の技術的前提に止まるものであり,この技術的前提を基に,受信・録画・送信を実現する行為それ自体とは異なる次元の問題であり,かかる技術的前提を整備し提供したからといって直ちにその者において受信・録画・送信を行ったものということはできない。ところで,親機ロクラクが正しく機能する環境,条件等を整備し,維持するためには,その開発・製造者である控訴人において親機ロクラクを設置・管理することが技術上,経済上,最も確実かつ効率的な方法であることはいうまでもないところ,本件サービスを受ける上で,利用者自身が,その管理・支配する場所において親機ロクラクを自ら設置・管理することに特段の必要性や利点があるものとは認め難いから,親機ロクラクを控訴人において設置・管理することは,本件サービスが円滑に提供されることを欲する契約当事者双方の合理的意思にかなうものということができる。そして,そうであるからといって,前述したとおり,このことが利用者の指示に基づいて行われる個々の録画行為自体の管理・支配を目的とする根拠となり得るものとみることは困難であるし,相当でもない。
 さらに,控訴人において親機ロクラクを管理する場合,控訴人においてその作動環境,条件等(テレビアンテナとの正しい接続等)を整備しない限り,親機ロクラクが正しく作動することはないのであるから,テレビアンテナ等の付属機器類を控訴人が設置・管理することも,本件サービスが円滑に提供されることを欲する契約当事者双方の意思にかなうものであることは前同様であるが,前同様の理由によりこれをもって利用者の指示に基づいて行われる個々の録画行為自体の管理・支配を目的とする根拠となり得るものとみることは困難であるし,相当でもない。
 他方,本件サービスにおけるテレビ番組の録画及び当該録画に係るデータの子機ロクラクへの移動(送受信)は,専ら,利用者が子機ロクラクを操作することによってのみ実行されるのであるから,控訴人が親機ロクラクとその付属機器類を設置・管理すること自体は,当該録画の過程そのものに対し直接の影響を与えるものではない。
 そうすると,控訴人が親機ロクラクとその付属機器類を一体として設置・管理することは,結局,控訴人が,本件サービスにより利用者に提供すべき親機ロクラクの機能を滞りなく発揮させるための技術的前提となる環境,条件等を,主として技術的・経済的理由により,利用者自身に代わって整備するものにすぎず,そのことをもって,控訴人が本件複製を実質的に管理・支配しているものとみることはできない。

 ウ 親機ロクラクと子機ロクラクとの間の通信の管理について

 被控訴人らは,親機ロクラクと子機ロクラクとの間の通信が控訴人の管理・支配の下に行われている旨主張し,その根拠として,①当該通信がhttpにより控訴人のサーバ等を経由して行われること,②当該サーバが録画予約及び番組データの送信のために控訴人が用意した専用サーバであること,③控訴人のサーバ等を経由するたびに,控訴人がID等による認証を行っていること,④当該通信を実行するロクラクⅡ及びそのファームウェアがすべて控訴人の開発・製造に係るものであり,控訴人の規定する方式(子機ロクラクの引渡後に変更が生じた場合の当該変更後の方式を含む。)によって当該通信が実行されること,⑤利用者が控訴人の規定する目的及び方法によるほかは当該通信機能を利用することができないことを挙げる。
 しかしながら,上記①については,http(hyper text transferprotocol)を採用したメールシステムにおいて,サーバを管理する者が専らメール利用者の自発的意思に基づいて行われるメール通信を管理・支配しているとみることは,技術常識に照らして困難であり,被控訴人らの主張は,独自の見解に基づくものであるといわざるを得ない(なお,甲20は,メールシステムのうち,smtp(simple mail transfer protocol)及びpop(post office protocol)又はimap(internet messaging accessprotocol)を採用するものについて言及するにすぎず,httpを採用するメールシステムについての上記判断を左右するものではない。)。
 また,上記③については,被控訴人らの主張の趣旨が必ずしも判然としないが,同主張がメールクライアントによるサーバへのアクセスの際に行われる一般的な認証をいう趣旨であるとすれば,そのような認証は,メールシステムにおいて当然に行われるものであり,そのような認証が行われることをもって,サーバを管理する者がメール通信を管理しているものとみることは,上記①と同様,技術常識に照らして困難であるから被控訴人らの独自の見解であるというべきであるし,被控訴人らの主張がこれと異なる特別の認証をいう趣旨であるとすれば,本件サービスにおいてそのような認証が行われているものと認めるに足りる証拠はない。
 さらに,上記①ないし⑤については,いずれも,利用者が親機ロクラクを自己管理する場合(すなわち,控訴人が本件複製を行っているものとみることができない場合)であっても生じる事態であることからみても,かかる主張をもって控訴人によるメール通信の管理・支配の根拠足り得ないことは明らかであるといわざるを得ない。
 なお,上記(1)エ(オ)のとおり,控訴人は,先行仮処分決定の後,暫定的な措置として,同決定において複製禁止対象とされたテレビ番組を除外した控訴人作成の番組表を子機ロクラクが取得するとの新技術を開発し,本件サービスにおいて運用しているものであるが,このような事態は,本件サービスが本来的に予定するものではなく,控訴人も,先行仮処分決定を受けたことから,やむなく上記のような暫定的措置を採ったものと認められる(甲24の1)から,控訴人がそのような措置を暫定的に採ったことをもって,これを,控訴人が親機ロクラクと子機ロクラクとの間の通信を管理・支配しているとの事情とみるのは相当でない。
 その他,控訴人が親機ロクラクと子機ロクラクとの間の通信を実質的に管理・支配しているものと認めるに足りる証拠はない。

 エ 複製可能な放送及びテレビ番組の範囲について

 被控訴人らは,①本件サービスにおいて録画可能な放送が,控訴人が親機ロクラクを管理する場所(静岡県又は東京都)において受信される地上波アナログ放送に限定されていること,②本件サービスにおいて録画可能なテレビ番組が,控訴人のサーバから控訴人により提供される番組表に記載されたものに限定されていることをもって,控訴人が本件複製を管理・支配している旨主張する。
 しかしながら,本件サービスにおいて録画可能な放送が,親機ロクラクにより受信することができるものに限定されるのは当然のことである(テレビ放送の受信がなければ,その録画はあり得ない。)ところ,テレビチューナーを備えた機器において,当該機器により受信することのできるテレビ放送が当該機器の設置場所により制限されるのは,親機ロクラクに限らず,すべての機器に当てはまることであるから,上記①をもって,本件サービスにおいて録画可能な放送の範囲の限定が控訴人により行われているものとみることはできない。
 また,上記②については,利用者が親機ロクラクを自己管理する場合(すなわち,控訴人が本件複製を行っているものとみることができない場合)であっても同様に生じる事態を指摘するものにすぎない。
 以上からすると,被控訴人らが主張する上記事実をもって,控訴人が本件複製を実質的に管理・支配しているものとみることはできない。

 オ 複製のための環境整備について

 被控訴人らは,①本件サービスにおいては,子機ロクラクを用い,これが示す手順に従わなければ,親機ロクラクにアクセスしてテレビ番組の録画や録画されたデータのダウンロードを行うことができず,また,②控訴人は,親子機能を実現するための特別のファームウェアを開発して,これを親子ロクラクに組み込み,かつ,控訴人のサーバ等を経由することのみによって録画予約等が可能となるように設定しており,さらに,③親子ロクラクは,本件サービス又はこれと同種のサービスのための専用品とみることができる旨主張する。
 しかしながら,これらの事情は,いずれも,利用者が親機ロクラクを自己管理する場合(控訴人が本件複製を行っているものとみることができない場合)であっても同様に生じる事態を指摘するものにすぎないから,これらの事情をもって,控訴人が本件複製を実質的に管理・支配しているものとみることはできない。

 カ 控訴人が得ている経済的利益について

 被控訴人らは,控訴人が,①初期登録料(3000円),②毎月のロクラクⅡのレンタル料(本件Aサービスにつき8500円,本件Bサービスにつき6500円),③毎月の「ロクラクアパート」の賃料(2000円)の名目で,利用者から本件サービスの対価を受領している旨主張する。
 しかしながら,本件サービスは,機器(親子ロクラク又は親機ロクラク)自体の賃貸借及び親機ロクラクの保守・管理等を伴うものであるから当然これに見合う相当額の対価の支払が必要となるところ,上記(1)エ(ウ)によれば,上記①及び②の各金員は,録画の有無や回数及び時間等によって何ら影響を受けない一定額と定められているものと認められるから,当該各金員が,当該機器自体の賃料等の対価の趣旨を超え,本件複製ないしそれにより作成された複製情報の対価の趣旨をも有するものとまで認めることはできず(なお,被控訴人NHKの番組を視聴する場合には,上記の料金とは別に受信契約の締結が必要となる旨控訴人サイトに記載されている。),その他,当該各金員が本件複製ないしそれにより作成された複製情報の対価の趣旨をも有するとまで認めるに足りる証拠はない。
 また,仮に,控訴人が上記③の金員を受領しているとしても,それが,「ロクラクアパート」の賃料の趣旨を超え,本件複製ないしそれにより作成された複製情報の対価の趣旨をも有するとまで認めるに足りる証拠はない。
 以上からすると,控訴人が上記①ないし③の各金員を受領しているとの事実をもって,控訴人が本件複製ないしそれにより作成された複製情報の対価を得ているものということはできない。

 キ 小括

 以上のとおり,被控訴人らが主張する各事情は,いずれも,控訴人が本件複製を行っているものと認めるべき事情ということはできない。
 加えて,上記(1)のとおりの親子ロクラクの機能,その機能を利用するために必要な環境ないし条件,本件サービスの内容等に照らせば,子機ロクラクを操作することにより,親機ロクラクをして,その受信に係るテレビ放送(テレビ番組)を録画させ,当該録画に係るデータの送信を受けてこれを視聴するという利用者の行為(直接利用行為)が,著作権法30条1項(同法102条1項において準用する場合を含む。)に規定する私的使用のための複製として適法なものであることはいうまでもないところである。そして,利用者が親子ロクラクを設置・管理し,これを利用して我が国内のテレビ放送を受信・録画し,これを海外に送信してその放送を個人として視聴する行為が適法な私的利用行為であることは異論の余地のないところであり,かかる適法行為を基本的な視点としながら,被控訴人らの前記主張を検討してきた結果,前記認定判断のとおり,本件サービスにおける録画行為の実施主体は,利用者自身が親機ロクラクを自己管理する場合と何ら異ならず,控訴人が提供する本件サービスは,利用者の自由な意思に基づいて行われる適法な複製行為の実施を容易ならしめるための環境,条件等を提供しているにすぎないものというべきである。
 かつて,デジタル技術は今日のように発達しておらず,インターネットが普及していない環境下においては,テレビ放送をビデオ等の媒体に録画した後,これを海外にいる利用者が入手して初めて我が国で放送されたテレビ番組の視聴が可能になったものであるが,当然のことながら上記方法に由来する時間的遅延や媒体の授受に伴う相当額の経済的出費が避けられないものであった。しかしながら,我が国と海外との交流が飛躍的に拡大し,国内で放送されたテレビ番組の視聴に対する需要が急増する中,デジタル技術の飛躍的進展とインターネット環境の急速な整備により従来技術の上記のような制約を克服して,海外にいながら我が国で放送されるテレビ番組の視聴が時間的にも経済的にも著しく容易になったものである。そして,技術の飛躍的進展に伴い,新たな商品開発やサービスが創生され,より利便性の高い製品が需用者の間に普及し,家電製品としての地位を確立していく過程を辿ることは技術革新の歴史を振り返れば明らかなところである。本件サービスにおいても,利用者における適法な私的利用のための環境条件等の提供を図るものであるから,かかるサービスを利用する者が増大・累積したからといって本来適法な行為が違法に転化する余地はなく,もとよりこれにより被控訴人らの正当な利益が侵害されるものでもない。
 したがって,本件サービスにおいて,著作権法上の規律の観点から,利用者による本件複製をもって,これを控訴人による複製と同視することはできず,その他,控訴人が本件複製を行っているものと認めるに足りる事実の立証はない。
 なお,クラブキャッツアイ事件最高裁判決は,スナック及びカフェを経営する者らが,当該スナック等において,カラオケ装置と音楽著作物たる楽曲が録音されたカラオケテープとを備え置き,ホステス等の従業員において,カラオケ装置を操作し,客に対して曲目の索引リストとマイクを渡して歌唱を勧め,客の選択した曲目のカラオケテープの再生による演奏を伴奏として他の客の面前で歌唱させ,また,しばしば,ホステス等にも,客とともに又は単独で歌唱させ,もって,店の雰囲気作りをし,客の来集を図って利益を上げることを意図していたとの事実関係を前提に,演奏(歌唱)の形態による音楽著作物の利用主体を当該スナック等を経営する者らと認めたものであり,本件サービスについてこれまで認定説示してきたところに照らすならば,上記判例は本件と事案を異にすることは明らかである。

 2 被控訴人らの請求についての結論

 争点1についての判断は上記1のとおりであるから,その余の各争点について判断するまでもなく,被控訴人らの請求は,全部理由がない。

 第4 結論
 よって,原判決中,脱退前被控訴人10名の請求の一部を認容した部分は,当裁判所の上記判断と異なり不当であるから,同部分を取り消した上,被控訴人らの請求及び附帯控訴をいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。

知的財産高等裁判所第4部

   裁判長裁判官 田中信義
   裁判官 榎戸道也
   裁判官 浅井憲

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判決全文は

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090224172114.pdf

参照。

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速報-最高裁が「ロクラクⅡ」も原判決を破棄差し戻し(平21(受)788号)

最判平成23年1月20日平21(受)788号である。

判決の全文は、下記のとおりである。

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   主 文

原判決を破棄する。

本件を知的財産高等裁判所に差し戻す。

   理 由

 上告人X1代理人梅田康宏ほかの上告受理申立て理由並びに上告人X2及び同X3代理人松田政行ほか,同X4及び同X5代理人岡崎洋ほか,同X6及び同X7代理人前田哲男ほか,同X8及び同X9代理人伊藤真ほか並びに同X10代理人尾崎行正ほかの上告受理申立て理由(ただし,いずれも排除されたものを除く。)について

 1 本件は,放送事業者である上告人らが,「ロクラクⅡ」という名称のインターネット通信機能を有するハードディスクレコーダー(以下「ロクラクⅡ」という。)を用いたサービスを提供する被上告人に対し,同サービスは各上告人が制作した著作物である放送番組及び各上告人が行う放送に係る音又は影像(以下,放送番組及び放送に係る音又は影像を併せて「放送番組等」という。)についての複製権(著作権法21条,98条)を侵害するなどと主張して,放送番組等の複製の差止め,損害賠償の支払等を求める事案である。

 上告人らは,上記サービスにおいて複製をしているのは被上告人であると主張するのに対し,被上告人は,上記サービスの利用者が私的使用を目的とする適法な複製をしているのであり,複製をしているのは被上告人ではないと主張する。

 2 原審の確定した事実関係の概要は,次のとおりである。

 (1) 上告人X1,同X2,同X4,同X8及び同X10は,それぞれ,別紙著作物目録記載のとおり,同目録記載の各放送番組について複製権を有する。上告人ら(上告人X6を除く。)は,放送事業者であり,それぞれ,1審判決別紙放送目録記載のとおり,同目録記載の各放送に係る音又は影像について複製権を有する(以下,別紙著作物目録記載の各放送番組及び1審判決別紙放送目録記載の各放送に係る音又は影像等を併せて「本件番組等」と総称する。)。

 Aは,放送事業者であった者であり,別紙著作物目録記載のとおり,同目録記載の放送番組について複製権を有し,また,1審判決別紙放送目録記載のとおり,同目録記載の放送に係る音又は影像について複製権を有していた。上告人X6は,放送事業者であり,平成20年10月1日,会社分割により,Aのグループ経営管理事業を除く一切の事業に関する権利義務を承継した。

 (2) 被上告人は,ロクラクⅡを製造し,これを販売し,又は貸与している。
ロクラクⅡは,2台の機器の一方を親機とし,他方を子機として用いることができる(以下,親機として用いられるロクラクⅡを「親機ロクラク」といい,子機として用いられるロクラクⅡを「子機ロクラク」という。)。親機ロクラクは,地上波アナログ放送のテレビチューナーを内蔵し,受信した放送番組等をデジタルデータ化して録画する機能や録画に係るデータをインターネットを介して送信する機能を有し,子機ロクラクは,インターネットを介して,親機ロクラクにおける録画を指示し,その後親機ロクラクから録画に係るデータの送信を受け,これを再生する機能を有する。

 ロクラクⅡの利用者は,親機ロクラクと子機ロクラクをインターネットを介して1対1で対応させることにより,親機ロクラクにおいて録画された放送番組等を親機ロクラクとは別の場所に設置した子機ロクラクにおいて視聴することができる。
その具体的な手順は,①利用者が,手元の子機ロクラクを操作して特定の放送番組等について録画の指示をする,②その指示がインターネットを介して対応関係を有する親機ロクラクに伝えられる,③親機ロクラクには,テレビアンテナで受信された地上波アナログ放送が入力されており,上記録画の指示があると,指示に係る上記放送番組等が,親機ロクラクにより自動的にデジタルデータ化されて録画され,このデータがインターネットを介して子機ロクラクに送信される,④利用者が,子機ロクラクを操作して上記データを再生し,当該放送番組等を視聴するというものである。

 (3) 被上告人は,平成17年3月ころから,初期登録料を3150円とし,レンタル料金を月額6825円ないし8925円として,親機ロクラク及び子機ロクラクを併せて貸与するサービスや,子機ロクラクを販売し,親機ロクラクのみを貸与するサービスを開始した(以下,これらのサービスを併せて「本件サービス」という。)。
 本件サービスの利用者は,子機ロクラクを操作して,親機ロクラクの設置されている地域で放送されている放送番組等の録画の指示をすることにより,当該放送番組等を視聴することができる。

 3 原審は,仮に各親機ロクラクが被上告人の管理,支配する場所に設置されていたとしても,被上告人は本件サービスの利用者が複製を容易にするための環境等を提供しているにすぎず,被上告人において,本件番組等の複製をしているとはいえないとして,上告人らの請求を棄却した。

 4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
 放送番組等の複製物を取得することを可能にするサービスにおいて,サービスを提供する者(以下「サービス提供者」という。)が,その管理,支配下において,テレビアンテナで受信した放送を複製の機能を有する機器(以下「複製機器」という。)に入力していて,当該複製機器に録画の指示がされると放送番組等の複製が自動的に行われる場合には,その録画の指示を当該サービスの利用者がするものであっても,サービス提供者はその複製の主体であると解するのが相当である。すなわち,複製の主体の判断に当たっては,複製の対象,方法,複製への関与の内容,程度等の諸要素を考慮して,誰が当該著作物の複製をしているといえるかを判断するのが相当であるところ,上記の場合,サービス提供者は,単に複製を容易にするための環境等を整備しているにとどまらず,その管理,支配下において,放送を受信して複製機器に対して放送番組等に係る情報を入力するという,複製機器を用いた放送番組等の複製の実現における枢要な行為をしており,複製時におけるサービス提供者の上記各行為がなければ,当該サービスの利用者が録画の指示をしても,放送番組等の複製をすることはおよそ不可能なのであり,サービス提供者を複製の主体というに十分であるからである。

 5 以上によれば,本件サービスにおける親機ロクラクの管理状況等を認定することなく,親機ロクラクが被上告人の管理,支配する場所に設置されていたとしても本件番組等の複製をしているのは被上告人とはいえないとして上告人らの請求を棄却した原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。
論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,上記の機器の管理状況等について更に審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。

 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。なお,裁判官金築誠志の補足意見がある。

 裁判官金築誠志の補足意見は,次のとおりである。

 著作権法上の複製等の主体の判断基準に関しては,従来の当審判例との関連等の問題があるので,私の考え方を述べておくこととしたい。

 1 上記判断基準に関しては,最高裁昭和63年3月15日第三小法廷判決(民集42巻3号199頁)以来のいわゆる「カラオケ法理」が援用されることが多く,本件の第1審判決を含め,この法理に基づいて,複製等の主体であることを認めた裁判例は少なくないとされている。「カラオケ法理」は,物理的,自然的には行為の主体といえない者について,規範的な観点から行為の主体性を認めるものであって,行為に対する管理,支配と利益の帰属という二つの要素を中心に総合判断するものとされているところ,同法理については,その法的根拠が明らかでなく,要件が曖昧で適用範囲が不明確であるなどとする批判があるようである。しかし,著作権法21条以下に規定された「複製」,「上演」,「展示」,「頒布」等の行為の主体を判断するに当たっては,もちろん法律の文言の通常の意味からかけ離れた解釈は避けるべきであるが,単に物理的,自然的に観察するだけで足りるものではなく,社会的,経済的側面をも含め総合的に観察すべきものであって,このことは,著作物の利用が社会的,経済的側面を持つ行為であることからすれば,法的判断として当然のことであると思う。

 このように,「カラオケ法理」は,法概念の規範的解釈として,一般的な法解釈の手法の一つにすぎないのであり,これを何か特殊な法理論であるかのようにみなすのは適当ではないと思われる。したがって,考慮されるべき要素も,行為類型によって変わり得るのであり,行為に対する管理,支配と利益の帰属という二要素を固定的なものと考えるべきではない。この二要素は,社会的,経済的な観点から行為の主体を検討する際に,多くの場合,重要な要素であるというにとどまる。にもかかわらず,固定的な要件を持つ独自の法理であるかのように一人歩きしているとすれば,その点にこそ,「カラオケ法理」について反省すべきところがあるのではないかと思う。

 2 原判決は,本件録画の主体を被上告人ではなく利用者であると認定するに際し,番組の選択を含む録画の実行指示を利用者が自由に行っている点を重視したものと解される。これは,複製行為を,録画機器の操作という,利用者の物理的,自然的行為の側面に焦点を当てて観察したものといえよう。そして,原判決は,親機を利用者が自己管理している場合は私的使用として適法であるところ,被上告人の提供するサービスは,親機を被上告人が管理している場合であっても,親機の機能を滞りなく発揮させるための技術的前提となる環境,条件等を,利用者に代わって整備するものにすぎず,適法な私的使用を違法なものに転化させるものではないとしている。しかし,こうした見方には,いくつかの疑問がある。

 法廷意見が指摘するように,放送を受信して複製機器に放送番組等に係る情報を入力する行為がなければ,利用者が録画の指示をしても放送番組等の複製をすることはおよそ不可能なのであるから,放送の受信,入力の過程を誰が管理,支配しているかという点は,録画の主体の認定に関して極めて重要な意義を有するというべきである。したがって,本件録画の過程を物理的,自然的に観察する限りでも,原判決のように,録画の指示が利用者によってなされるという点にのみに重点を置くことは,相当ではないと思われる。

 また,ロクラクⅡの機能からすると,これを利用して提供されるサービスは,わが国のテレビ放送を自宅等において直接受信できない海外居住者にとって利用価値が高いものであることは明らかであるが,そのような者にとって,受信可能地域に親機を設置し自己管理することは,手間や費用の点で必ずしも容易ではない場合が多いと考えられる。そうであるからこそ,この種の業態が成り立つのであって,親機の管理が持つ独自の社会的,経済的意義を軽視するのは相当ではない。本件システムを,単なる私的使用の集積とみることは,実態に沿わないものといわざるを得ない。

 さらに,被上告人が提供するサービスは,環境,条件等の整備にとどまり,利用者の支払う料金はこれに対するものにすぎないとみることにも,疑問がある。本件で提供されているのは,テレビ放送の受信,録画に特化したサービスであって,被上告人の事業は放送されたテレビ番組なくしては成立し得ないものであり,利用者もテレビ番組を録画,視聴できるというサービスに対して料金を支払っていると評価するのが自然だからである。その意味で,著作権ないし著作隣接権利用による経済的利益の帰属も肯定できるように思う。もっとも,本件は,親機に対する管理,支配が認められれば,被上告人を本件録画の主体であると認定することができるから,上記利益の帰属に関する評価が,結論を左右するわけではない。

 3 原判決は,本件は前掲判例と事案を異にするとしている。そのこと自体は当然であるが,同判例は,著作権侵害者の認定に当たっては,単に物理的,自然的に観察するのではなく,社会的,経済的側面をも含めた総合的観察を行うことが相当であるとの考え方を根底に置いているものと解される。原判断は,こうした総合的視点を欠くものであって,著作権法の合理的解釈とはいえないと考える。

 (裁判長裁判官金築誠志 裁判官宮川光治 裁判官櫻井龍子 裁判官横田尤孝 裁判官白木勇)

(別紙)

著作物目録
1X1
番組名「バラエティー生活笑百科」
番組名「福祉ネットワーク」
2X2
番組名「踊る!さんま御殿!!」
3X4
番組名「関口宏の東京フレンドパークⅡ」
4A
番組名「MUSICFAIR21」
5X8
番組名「いきなり!黄金伝説。」
6X10
番組名「ペット大集合!ポチたま」

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出典

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110120144645.pdf

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2011年1月19日 (水)

消費者庁、ネット上の不当表示に対応強化へ

という記事が出ている。

http://www.advertimes.com/20110113/article4820/

曰く

構成員の岡村久道弁護士(国立情報学研究所客員教授)は、「販売実績のない価格で半額をうたうなど、不当な二重価格表示を行う例が最近取りざたされている。販売事業者に向け、分かりやすい情報開示・啓発を行い、知らないでは済まされない体制を作るべき」と指摘した。

それはそのとおり申し上げたのだが、公正取引委員会の不当表示ガイドラインが、消費者庁サイトで見えにくいので、啓発を図るためにも、図入りにするとか、事業者・消費者に見えやすい形で、再構成すべきであるという趣旨の発言が、上記に続いている。

例の「おせち」問題にしても、上記ガイドラインを見れば、問題があることは一目瞭然だ。

それ以外にも、ネットに関係する広告法規・ガイドラインを集大成して掲載すべきだろう。

誰もが電子商取引で情報を発信することが可能となり、誰もが、その消費者となりうる今、それが急務なのである。

もちろん、私の意見を受けて齋藤雅弘先生が指摘した「公正取引委員会が作成した資料があるが、事例が古いので更新する必要がある」ことも当然である。

ワンストップで最新の情報をサイトで得て反映させる。それができてはじめて「知らなかったでは済まされない」ということができる。これこそが大切なはずだ。

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2011年1月18日 (火)

速報-最高裁が「まねきTV」訴訟で原判決を破棄差し戻し

だそうである。最判平成23年1月18日である。

本件では、すでに弁論が開かれていたので、予想できたとはいえ、たいへん波紋が大きな内容だ。

いずれ分析したいが、とりあえず、早くも判決文がアップロードされている。

次のとおりなので、ご覧いただきたい。

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       主 文

原判決を破棄する。
本件を知的財産高等裁判所に差し戻す。

     理 由

上告人X1代理人梅田康宏ほかの上告受理申立て理由並びに上告人X2代理人松田政行ほか,上告人X3代理人岡崎洋ほか,上告人X4代理人前田哲男ほか,上告人X5代理人伊藤真ほか及び上告人X6代理人尾崎行正ほかの上告受理申立て理由(ただし,いずれも排除されたものを除く。)について

1 本件は,放送事業者である上告人らが,「まねきTV」という名称で,放送番組を利用者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する機器を用いたサービス(以下「本件サービス」という。)を提供する被上告人に対し,本件サービスは,各上告人が行う放送についての送信可能化権(著作権法99条の2)及び各上告人が制作した放送番組についての公衆送信権(同法23条1項)を侵害するなどと主張して,放送の送信可能化及び放送番組の公衆送信の差止め並びに損害賠償の支払を求める事案である。

2 原審の確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) 上告人ら(上告人X4を除く。)は,放送事業者であり,それぞれ,原判決別紙放送目録記載のとおり,同目録記載の各放送(以下,同目録記載の各放送を「本件放送」と総称する。)について送信可能化権を有する。Aは,放送事業者であった者であり,同目録記載のとおり,同目録記載の放送について送信可能化権を有していた。
上告人ら(上告人X4を除く。)及びAは,それぞれ,別紙放送番組目録記載の
とおり,同目録記載の各放送番組(以下「本件番組」と総称する。)を制作した。
上告人X4は,放送事業者であり,平成20年10月1日,会社分割により,Aのグループ経営管理事業を除く一切の事業に関する権利義務を承継した。

(2) 本件サービスにおいては,Bが販売するロケーションフリーという名称の商品(以下「ロケーションフリー」という。)が用いられるが,ロケーションフリーは,地上波アナログ放送のテレビチューナーを内蔵し,受信する放送を利用者からの求めに応じデジタルデータ化し,このデータを自動的に送信する機能を有する機器(以下「ベースステーション」という。)を中核とする。
 ロケーションフリーの利用者は,ベースステーションと手元の専用モニター等の端末機器をインターネットを介して1対1で対応させることにより,ベースステーションにおいてデジタルデータ化されて手元の端末機器に送信される放送を,当該端末機器により視聴することができる。その具体的な手順は,①利用者が,手元の端末機器を操作して特定の放送の送信の指示をする,②その指示がインターネットを介して対応関係を有するベースステーションに伝えられる,③ベースステーションには,テレビアンテナで受信された地上波アナログ放送が継続的に入力されており,上記送信の指示がされると,これが当該ベースステーションにより自動的にデジタルデータ化される,④次いで,このデータがインターネットを介して利用者の手元の端末機器に自動的に送信される,⑤利用者が,手元の端末機器を操作して,受信した放送を視聴するというものである。

(3) 被上告人は,本件サービスを行うに当たり,利用者から入会金3万1500円,月額使用料5040円の支払を受けて,利用者が被上告人から本件サービスを受けるために送付した利用者の所有するベースステーションを,被上告人事業所内に設置し,分配機等を介してテレビアンテナに接続するとともに,ベースステーションのインターネットへの接続を行っている。
 本件サービスの利用者(以下,単に「利用者」という。)は,ベースステーションと対応関係を有する手元の端末機器を操作することにより,ベースステーションの設置された地域の放送を視聴することができる。

3 上告人らは,被上告人が,ベースステーションに本件放送を入力することにより,又は本件放送が入力されるベースステーションのインターネットへの接続を行うことにより,利用者が本件放送を視聴し得る状態に置くことは,本件放送の送信可能化に当たるとして,上告人らの送信可能化権の侵害を主張する。
また,上告人らは,被上告人が,本件番組を公衆である利用者の端末機器に送信することは本件番組の公衆送信に当たるとして,上告人らの公衆送信権の侵害を主張する。

4 原審は,次のとおり判断して,上告人らの請求をいずれも棄却すべきものとした。
(1) 送信可能化は,自動公衆送信装置の使用を前提とするところ(著作権法2条1項9号の5),ここにいう自動公衆送信装置とは,公衆(不特定又は多数の者)によって直接受信され得る無線通信又は有線電気通信の送信を行う機能を有する装置でなければならない。各ベースステーションは,あらかじめ設定された単一の機器宛てに送信するという1対1の送信を行う機能を有するにすぎず,自動公衆送信装置とはいえないのであるから,ベースステーションに本件放送を入力するなどして利用者が本件放送を視聴し得る状態に置くことは,本件放送の送信可能化には当たらず,送信可能化権の侵害は成立しない。

(2) 各ベースステーションは,上記のとおり,自動公衆送信装置ではないから,本件番組を利用者の端末機器に送信することは,自動公衆送信には当たらず,公衆送信権の侵害は成立しない。

5 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

(1) 送信可能化権侵害について
ア 送信可能化とは,公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力するなど,著作権法2条1項9号の5イ又はロ所定の方法により自動公衆送信し得るようにする行為をいい,自動公衆送信装置とは,公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより,その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分に記録され,又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう(著作権法2条1項9号の5)。
自動公衆送信は,公衆送信の一態様であり(同項9号の4),公衆送信は,送信の主体からみて公衆によって直接受信されることを目的とする送信をいう(同項7号の2)ところ,著作権法が送信可能化を規制の対象となる行為として規定した趣旨,目的は,公衆送信のうち,公衆からの求めに応じ自動的に行う送信(後に自動公衆送信として定義規定が置かれたもの)が既に規制の対象とされていた状況の下で,現に自動公衆送信が行われるに至る前の準備段階の行為を規制することにある。このことからすれば,公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置は,これがあらかじめ設定された単一の機器宛てに送信する機能しか有しない場合であっても,当該装置を用いて行われる送信が自動公衆送信であるといえるときは,自動公衆送信装置に当たるというべきである。
イ そして,自動公衆送信が,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置の使用を前提としていることに鑑みると,その主体は,当該装置が受信者からの求めに応じ情報を自動的に送信することができる状態を作り出す行為を行う者と解するのが相当であり,当該装置が公衆の用に供されている電気通信回線に接続しており,これに継続的に情報が入力されている場合には,当該装置に情報を入力する者が送信の主体であると解するのが相当である。
ウ これを本件についてみるに,各ベースステーションは,インターネットに接続することにより,入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的にデジタルデータ化して送信する機能を有するものであり,本件サービスにおいては,ベースステーションがインターネットに接続しており,ベースステーションに情報が継続的に入力されている。被上告人は,ベースステーションを分配機を介するなどして自ら管理するテレビアンテナに接続し,当該テレビアンテナで受信された本件放送がベースステーションに継続的に入力されるように設定した上,ベースステーションをその事務所に設置し,これを管理しているというのであるから,利用者がベースステーションを所有しているとしても,ベースステーションに本件放送の入力をしている者は被上告人であり,ベースステーションを用いて行われる送信の主体は被上告人であるとみるのが相当である。そして,何人も,被上告人との関係等を問題にされることなく,被上告人と本件サービスを利用する契約を締結することにより同サービスを利用することができるのであって,送信の主体である被上告人からみて,本件サービスの利用者は不特定の者として公衆に当たるから,ベースステーションを用いて行われる送信は自動公衆送信であり,したがって,ベースステーションは自動公衆送信装置に当たる。そうすると,インターネットに接続している自動公衆送信装置であるベースステーションに本件放送を入力する行為は,本件放送の送信可能化に当たるというべきである。

(2) 公衆送信権侵害について
本件サービスにおいて,テレビアンテナからベースステーションまでの送信の主体が被上告人であることは明らかである上,上記(1)ウのとおり,ベースステーションから利用者の端末機器までの送信の主体についても被上告人であるというべきであるから,テレビアンテナから利用者の端末機器に本件番組を送信することは,本件番組の公衆送信に当たるというべきである。

6 以上によれば,ベースステーションがあらかじめ設定された単一の機器宛てに送信する機能しか有しないことのみをもって自動公衆送信装置の該当性を否定し,被上告人による送信可能化権の侵害又は公衆送信権の侵害を認めなかった原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり,論旨は理由がある。原判決は破棄を免れず,更に審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官田原睦夫裁判官那須弘平裁判官岡部喜代子裁判官大谷剛彦)

(別紙)放送番組目録
1 X1
番組名 「バラエティー生活笑百科」
番組名 「福祉ネットワーク」
2 X2
番組名 「踊る!さんま御殿!!」
3 X3
番組名 「関口宏の東京フレンドパーク Ⅱ」
4 A
番組名 「MUSIC FAIR21」
5 X5
番組名 「いきなり!黄金伝説。」
6 X6
番組名 「ハロー!モーニング。」

===============================

:原文は

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110118164443.pdf

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迷惑メール業者の刑事摘発

架空メールアドレスを用いて出会い系サイト宣伝メールを大量送信した、都内の出会い系サイト業者役員ら7人を、昨日、京都府警などは特定電子メール送信適正化法違反容疑で逮捕した。

すでに報道されている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110117-OYT1T01093.htm

同法の関連条項は次のとおり。

(送信者情報を偽った送信の禁止)
第五条  送信者は、電子メールの送受信のために用いられる情報のうち送信者に関するものであって次に掲げるもの(以下「送信者情報」という。)を偽って特定電子メールの送信をしてはならない。
一  当該電子メールの送信に用いた電子メールアドレス
二  当該電子メールの送信に用いた電気通信設備を識別するための文字、番号、記号その他の符号

第三十四条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一  第五条の規定に違反した者
二  第七条の規定による命令(第三条第二項の規定による記録の保存に係るものを除く。)に違反した者

これまで同法違反の行政処分は約20件ほどあった。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/m_mail.html#ordinance

今回、ようやく刑事摘発してくれたことで、たいへん喜ばしい。

ところで、この業者は国外のサーバを用いて大量送信していたようである。

今後、さらに悪質なボットネットを用いた大量送信事例に捜査のメスが入る日を待ちたい。

この法律の制定時から、幾度かの各改正に至るまで、所轄省庁の研究会で構成員としてかかわってきた者として、心より、そう思う次第である。

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2011年1月16日 (日)

無断転載パクリブログ事件の顛末

今日は日曜なので、少し柔らかめの記事を書くことにする。

さて、いろんなところで話題になっている上記事件。

簡単に顛末をまとめておきたい。

パクリ被害を受けたのは「Webクリエイターボックス」サイト。

掲載していたコンテンツが、丸ごと無断デッドコピーされて別サイト(ブログ)に掲載された。

パクリ主は、こうして他のブログからパクったコンテンツを数多く並べて、自己のブログを運営していたようだ。したがって、被害者は、別途、多数にのぼるという。とんでもないブログである。

しかも、今回のコンテンツについて、パクリ主は、無断掲載する際、元サイトの画像を直リンクでパクリブログに表示させていた。

おそらくHTMLを丸ごとコピーしてパクったことから、こうなったのだろう。

ここまでは「良くある話」なのかもしれない。

だが、ここからが面白い。

被害を受けた「Webクリエイターボックス」サイト側は、意外な方法で反撃に転じた。

画像の直リンクを逆手にとって、自分のサイト内にある元画像ファイルを、別の新画像に差し替えたのである。

差し替えられた新画像には、汚物のイラストとともに、パクリ主が掲載した問題の記事が「無断転載」である旨が、書かれた内容のものだった。

直リンクの結果、パクリ主のブログには、ファイル名は同一であっても内容が差し替えられた新画像が表示され、汚物のイラストや「無断転載」である旨が表示されてしまった。

一種の自力救済のようなものだが、何とも興味深い。

一連の騒ぎがネット上で話題となって祭り状態となり、遂に、パクリ主ブログは閉鎖に追い込まれた。

少し堅い話をすると、まったくのデッドコピーであれば、パクられた記事が著作物に該当する場合には、それを今回のようにパクる行為は複製権侵害、公衆送信権侵害に該当しうる。

これに対し、無断転載する際に、パクリ主が改編を加えて、新たな創作性が付け加えられていれば、複製権ではなく翻案権の侵害。

誰が作ったコンテンツなのか、名前をパクリ主のものにしておれば、著作者に対する氏名表示権侵害にも該当する。何らかの改変があれば、同一性保持権侵害が成立することになる。

以上は著作権法のイロハである。江差追分事件最高裁判決や、あんどん事件京都地裁判決を参照していただきたい。

どちらの場合も、元の著作物に「依拠」していることが必要だが、直リンクが残っていれば「動かぬ証拠」となろう。それに、HTMLソースを比較すれば「依拠」の事実は簡単に証明できるはずである。

もっとも、こうした立証方法は、我々には当たり前であっても、既存の教科書には書かれていないのが普通である。

どちらにしても、著作権法以前に、今回のようなパクりは物書きとして恥じるべきことだ。

事件の顛末は「Webクリエイターボックス」サイトの下記ページにまとめられているので、興味があればご覧いただきたい。

http://www.webcreatorbox.com/webinfo/king-unko/

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2011年1月14日 (金)

法律論文における出典の表記方法

法律論文における出典の表記方法が、よく分からないという学生が多い。

何を参照して良いのか分からず、困っているというわけだ。どうしてすべてのロースクールで教えないのか、疑問に思う。判例や出典書籍について、きちんと表記していないレジメも多い。

法律実務家が、本格的な論文を書こうとする際にも、同様の難問にぶつかる。私も、今は法律実務家であるとともに、半ば学者のようなことをしているが、最初に執筆しようとしたときには、困ったものである。司法研修所では教えてくれなかった。現在では、遠い過去のことではあるが。

法律編集者懇話会が、1993年8月に「法律文献等の出典の表示方法」という文書を公表している。

これは、同会が1989年に素案を発表し、法学関係の各学会等で配布して数多くの意見を聴取し、それらの意見を参考にして第二次改訂案を作成し、その後も、数回にわたり追補を行っている。

それを踏まえて、以前、次の論考を自分のサイトに掲載した。

いま読み返しても役に立つと思うので、紹介しておきたい。

「法律論文における出典の表記方法について」

http://www.law.co.jp/okamura/jyouhou/houinyou.htm

である。

但し、少し補足すると、単行本等で冒頭に「凡例」をおいて、略記を示している場合には、それに従うことは、言うまでもない。

また、時代とともに変遷があることも致し方ない。

上記は、これが唯一正しいという意味でもない。ただ、こんな事で悩んでいても時間の無駄だから、これに従えばいいということである。

法律論文を書こうとしている方々の、お役に立てば幸いである。

なお、法律編集者懇話会作成の原典は、次の箇所で閲覧することができる。

http://www.law.kobe-u.ac.jp/citation/mokuji.htm

追記

英語文献の表記方法については「Style Guides」がある。

さしあたり次を参照のこと。

http://www.lib.usm.edu/help/style_guides.html

関連項目

法律論文等での条文に関する表記方法

http://hougakunikki.air-nifty.com/hougakunikki/2010/12/post-eb5a.html

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2011年1月13日 (木)

まともにいけば

本日、23時から始まるテレビ東京のニュース番組「ワールドビジネスサテライト」に、インタビュー出演します。

消費者庁での研究会直後の収録です。

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2011年1月12日 (水)

引用先作品の著作物性の要否に関する判例

著作権法32条1項は、「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」と規定しています。

本項に該当するためには、引用元が著作物であることは当然です。そうでなければ、そもそも著作権侵害になるかどうか、という問題は生じないからです。これに対し、引用先作品が著作物である必要があるか、争いがあります。

知財高判平成22年10月13日平22(ネ)10052号は、不要説に立つことについて、すでに以前の日記で説明しました。

http://hougakunikki.air-nifty.com/hougakunikki/2010/12/2210132210052-7.html

その一方、昨年、東京地裁で必要説に立つ判例が出ていました。東京地判平成22年5月28日平21(ワ)12854号(漢方コラム事件)です。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100528171335.pdf

で閲覧することができます。

インターネット関連の事件です。事案は、月刊誌「がん治療最前線」に掲載された原告執筆記事を、被告が自己のホームページの「漢方コラム」欄(引用先ウェブページ)に転載したというものです。

本判決は、「同項の立法趣旨は,新しい著作物を創作する上で,既存の著作物の表現を引用して利用しなければならない場合があることから,所定の要件を具備する引用行為に著作権の効力が及ばないものとすることにある……から,利用する側に著作物性,創作性が認められない場合は「引用」に該当せず,同項の適用はない」としました。そして、引用先ウェブページは平凡なものであって著作物性がなく、適法な引用に該当しないとしました。

つまり、引用先は著作物に限るとして、必要説に立ったのです。

しかし、前述した以前の日記で説明したとおり、不要説が妥当であるようです。

というのも、一見すると、東京地裁判決は制度趣旨から解きほぐしているので説得力があるように見えますが、その制度趣旨というのも、旧著作権法に関するものを引いているにすぎません。現行法を前提とすると、やはり同条の文言からして、やや解釈論として無理があるように思えるからです。

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2011年1月11日 (火)

個人情報保護法への過剰反応は高齢者所在不明問題の原因か

昨秋、「個人情報保護法制への過剰反応は高齢者所在不明問題の原因かどうか」について、原稿を執筆せよと頼まれた。

「全国社会福祉協議会(全社協)」が発行する「月間福祉」という月刊誌である。

思い起こせば、高齢者所在不明問題は昨年夏に発覚した。

原稿を送ってから数ヶ月が経過して、執筆した本人が忘れていたころ、掲載誌が送られてきた。

同誌2011年2月号である。
http://www.fukushinohon.gr.jp/esp.cgi?_page=_index&_page2=contents&_page3=detailmagazine_g

こういう原稿依頼が来ること自体、個人情報保護法制に対する社会福祉関係者の閉塞感は、関係者間で要援護者情報の交換が阻害されているなど、察するに余りある状態であることを示している。

詳しくは上記論考をご覧いただきたいが、紋切り型の言い方をすれば、家族制度や地域社会の崩壊によって、住民基本台帳の申請主義が機能不全を起こしている。

高齢者が孤立化を起こしている中で、死亡しても親族が届け出なければ、200歳前後の生存者が大量出現することは必然的だった。

つまり、社会構造の変化こそが、根本的な問題なのだ。

このように考えると、保護法制が原因自体であるとまでいえない。

しかし、それに保護法制が拍車を掛けているという悪循環の面があることも否定できない。

いずれにせよ、死亡を隠していた親族による年金不正受給と結合して、一時は逮捕者まで出るという、たいへんな騒ぎになった。

この問題に対する対応策として、厚労省は「高齢者所在不明・孤立化防止対策チーム」を組織して市区町村に安否確認させ、その結果をフィードバックしようとしてきた。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000kgp7.html

その際にも保護法制が安否確認の妨げになったことは事実のようだ。自治体が保有する住民情報を、どの程度、利用できるのかすら、おぼつかない状況なのだから。

前述のとおり、今回の問題では、社会のあり方自体が問われていることは事実である。

それと同時に、保護法のあり方についても、どの辺りに落ち着きどころを見つけるか。その改正に向けた検討作業が今後の課題となるが、それを論じるのは別の機会にしたい。

ゆく川の流れは速く、高齢者所在不明問題は、すでにマスメディアの脳裏から、残念ながら半ば忘れ去られようとしている。

それにしても、前記チームは第2回会合が行われた後、どうなったのか続報が入らない。厚労省老健局の報道発表資料サイトを見る限り、開かれていないようだ。

忘却は、マスメディアだけでなく、政治の世界にも、残念ながら当てはまるようだ。

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2011年1月 8日 (土)

私的録音録画補償金事件(東京地判平成22年12月27日平22(ワ)40387号)再論

2010年12月27日 (月)の日記「私的録音録画補償金はメーカーに対する請求権か?」
http://hougakunikki.air-nifty.com/hougakunikki/2010/12/post-e63c.html
の末尾で、「裁判所サイトに判決文がアップされたら、詳細を検討してみたい。」と述べたが、このたび、裁判所サイトに判決文がアップされた。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110106181237.pdf
である。

ご覧いただきたい。

上記日記でも触れたが、今回の訴訟で問題となったのはアナログチューナ非搭載録画機であるデジタル放送専用DVDレコーダー。「ダビング10」があるので、補償金の対象となるか、かねてから議論があった。

このような背景の下で、被告が私的録音録画補償金の上乗せを拒んだことの是非を巡って争いとなり、本訴が提起されたものである。詳細は上記日記を併せて参照されたい。

以下、本判決の重要部分について説明しておきたい。

フォントのカラーを変更している部分が、判旨を引用した部分である。

事案の概要

次のとおりである。

 本件は,著作権法30条2項の補償金(以下「私的録音録画補償金」という。)のうち私的使用を目的として行われる「録画」に係るもの(以下「私的録画補償金」という。)を受ける権利をその権利者のために行使することを目的とする指定管理団体である原告が,別紙製品目録1ないし5記載の各DVD録画機器(以下,それぞれを「被告製品1」,「被告製品2」などといい,これらを総称して「被告各製品」という。)を製造,販売する被告に対し,被告各製品は同法30条2項所定のデジタル方式の録音又は録画の機能を有する「政令で定める機器」(以下「特定機器」という。)に該当するため,被告は,同法104条の5の規定する製造業者等の協力義務として,被告各製品を販売するに当たって,その購入者から被告各製品に係る私的録画補償金相当額を徴収して原告に支払うべき法律上の義務があるのにこれを履行していないなどと主張し,上記協力義務の履行として,又は上記協力義務違反等の不法行為による損害賠償として,被告各製品に係る私的録画補償金相当額1億4688万5550円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。

主 文

 1 原告の請求を棄却する。

 2 訴訟費用は原告の負担とする。

争 点

本件では、次の諸点が争点となった。

 1 争点1(被告各製品の特定機器該当性)について

 2 争点2(法104条の5の協力義務としての私的録画補償金相当額支払義務の有無)について

 3 争点3(被告による不法行為の成否)について

 以下、各争点について、本判決がどのように判断したか、説明してみよう。

1 争点1(被告各製品の特定機器該当性)について

 本判決は、次のとおり、特定機器該当性を認めた。つまり、私的録音録画補償金の対象になるとした。

施行令1条2項柱書きの「アナログデジタル変換が行われた影像」の意義については,被告主張のように「当該機器内でアナログデジタル変換が行われた影像」に限定して解釈すべき理由はなく,変換処理が行われる場所のいかんに関わらず,「アナログ信号をデジタル信号に変換する処理が行われた影像」を意味するものと解するのが相当である。

被告各製品は,「光学的方法により,アナログデジタル変換が行われた影像を,連続して固定する機能を有する機器であること」(施行令1条2項3号柱書き)の要件を満たすものといえる。

以上によれば,被告各製品は,いずれも施行令1条2項3号の特定機器に該当するものと認められる。

2 争点2(法104条の5の協力義務としての私的録画補償金相当額支払義務の有無)について

 本判決の中心となる部分であるが、次のとおり、被告の支払義務を認めなかった。

法104条の5が,特定機器の製造業者等において「しなければならない」ものとして規定しているのは,指定管理団体が行う法104条の4第1項の規定により特定機器の購入者に対する私的録音録画補償金の支払を請求する場合における当該支払の請求及びその受領に関する「協力」である。

しかるところ,「協力」という用語は,一般に,「ある目的のために心を合わせて努力すること。」(広辞苑第六版)などを意味するものであり,抽象的で,広範な内容を包含し得る用語であって,当該用語自体から,特定の具体的な行為を想定することができるものとはいえない。

また,法104条の5においては,「協力」の文言について,「当該私的録音録画補償金の支払の請求及びその受領に関し」との限定が付されてはいるものの,「協力」という用語自体が抽象的であることから,上記の限定によっても,「当該私的録音録画補償金の支払の請求及びその受領に関し」てしなければならない「協力」の具体的な行為ないし内容が文言上特定されているものとはいえない。

さらに,法104条の5と関連する法第5章のその他の規定をみても,法104条の5の「協力」の内容を具体的に特定する旨の規定は見当たらない。法104条の5においては,特定機器の製造業者等において「しなければならない」ものとされる行為が,具的的に特定して規定されていないのであるから,同条の規定をもって,特定機器の製造業者等に対し,原告が主張するような具体的な行為(すなわち,特定機器の販売価格に私的録画補償金相当額を上乗せして出荷し,利用者から当該補償金を徴収して,原告に対し当該補償金相当額の金銭を納付すること(以下「上乗せ徴収・納付」という。))を行うべき法律上の義務を課したものと解することは困難というほかなく,法的強制力を伴わない抽象的な義務としての協力義務を課したものにすぎないと解するのが相当である。

3 争点3(被告による不法行為の成否)について

 本判決は、次のとおり、被告の不法行為責任も認めなかった。

 不法行責任に関する原告の主張は、複数の点にわたる。

 原告は、まず、「協力義務違反による原告の利用者に対する補償金請求権の侵害」を主張しており、次のとおり本判決は否定した。

法104条の5が規定する特定機器の製造業者等の協力義務は,原告が主張するような内容の法律上の具体的な義務ではないと解されるから,原告の上記主張は,その前提において理由のないことが明らかである。

 次に、原告は、「被告各製品の販売による原告の補償金請求権の侵害」を主張しており、この主張についても、次のとおり本判決は否定した。

私的録画補償金相当額を上乗せせずに被告各製品を販売した被告の行為が,不法行為としての違法性を有するものと評価されるためには,少なくとも,被告に,被告各製品を販売するに当たって私的録画補償金相当額を上乗せして販売しなければならない法的な作為義務があることが前提とされなければならない。

しかるところ,前記2(1)で述べた法104条の5の協力義務の法的性質からすれば,同条の協力義務が,被告の法的な作為義務の根拠とならないことは明らかであり,また,そのほかに,かかる作為義務が生ずべき法律上の根拠も認められない。

 以上のとおり判示して、本判決は、原告の請求を棄却した。

 争点2、3については、立場によって先鋭に対立する問題であろうが、本判決が指摘するように、前記「協力」という文言からすれば、法解釈としては、やむを得ない結論であったといえるのではなかろうか。

 ただし、争点2、3のとおり判断したのであれば、「仮に争点1が認められるとしても」として争点2、3を否定すれば足りるから、争点1に対する判断は、余事記載で傍論にすぎないはずであり、わざわざ争点1について判断する必要はなかったのではないか。その限度では、疑問を示さざるをえない。

 いずれにしても、アナログチューナ非搭載録画機か搭載録画機を問わず、メーカー等の側の具体的義務が否定されたことになるから、きわめてインパクトが大きな判決である。おそらく控訴されたであろうから、知財高裁の判断が待たれる。

追記

余談だが、コピライト誌の本年1月号が届いた。私の「著作権法」を紹介してくれていた。澤田さん、ありがとう。

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2011年1月 7日 (金)

ネット通販と景品表示法の二重価格表示規制

インターネットの共同購入サイトが注目を浴びている。

いい意味ばかりで注目されるのならいいのだが、消費者問題で報道されるものも発生している。ネット注文の「おせち」が、騒動になっているのだ。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/481321/

上記報道によれば、税込みの「定価」が2万1千円の商品を「半額クーポン」を発行したという形式を取り、1万500円で500セット販売したところ、内容がスカスカである上、衛生管理上の問題が指摘され、横浜市保健所が提供元に立ち入り調査したというのだ。

だが、問題はそれだけでは終わっていない。上記記事によれば、消費者担当相が、景品表示法違反の有無を問題視しているからだ。

今回の「おせち」は購入しておらず、当時のサイトの掲載内容の詳細も知らないので、どうなのか分からない。

しかし、どうもネット通販で「通常価格のXX%割引」などと表示して、「景品表示法違反となるのでは」と疑わざるをえないものを、よく見かけるので、景品表示法の関連部分について、簡単に説明しておきたい。

景品表示法は、事業者の販売価格について一般消費者に実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく有利であると誤認される表示を、同法4条1項2号にいう不当表示として規制している。

これに基づき公正取引委員会「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_35.pdf
が、二重価格表示について、次のとおり基本的な考え方を明らかにしている。

過去の販売価格等を比較対照価格とする二重価格表示については、「同一の商品について最近相当期間にわたって販売されていた価格とはいえない価格を比較対照価格に用いるときは,当該価格がいつの時点でどの程度の期間販売されていた価格であるか等その内容を正確に表示しない限り,一般消費者に販売価格が安いとの誤認を与え,不当表示に該当するおそれがある。」とする考え方である。

そして「比較対照価格が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」に当たるか否かは,当該価格で販売されていた時期及び期間,対象となっている商品の一般的価格変動の状況,当該店舗における販売形態等を考慮しつつ,個々の事案ごとに検討されることとなるが,一般的には,二重価格表示を行う最近時(最近時については,セール開始時点からさかのぼる八週間について検討されるものとするが,当該商品が販売されていた期間が八週間未満の場合には,当該期間について検討されるものとする。)において,当該価格で販売されていた期間が当該商品が販売されていた期間の過半を占めているときには,「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とみてよいものと考えられる。ただし,前記の要件を満たす場合であっても,当該価格で販売されていた期間が通算して二週間未満の場合,又は当該価格で販売された最後の日から二週間以上経過している場合においては,「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえないものと考えられる。」とするものだ。

これによれば、「販売実績の全くない商品又はセール直前に販売が開始された商品等,短期間しか販売した実績のない商品の価格を,「当店通常価格」等最近相当期間にわたって販売されていた価格であるとの印象を与えるような名称を付して比較対照価格に用いること。」は、「不当表示に該当するおそれのある表示」であるとされている。

このようにみると、ネット通販には、かなり問題があるものがあるのではないか。

事柄が消費者問題であるだけに、しっかりと法令遵守で販売してもらいたいものだ。

ちなみに、ネット上で、「定価」として表示したものと比較対照価格として実際の販売価格と併記する二重価格表示が、実際に違反に問われたケースとして、平成13年(排)第1号公取委平成13.2.28排除命令がある。

上記命令は公正取引委員会サイトで次のとおり閲覧できる。

http://snk.jftc.go.jp/JDSWeb/jds/dc/DC004.do?pager.offset=0

である。

参考にして欲しい。

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2011年1月 6日 (木)

新手のネットオークション問題

基本的には、よく新聞ではコメントしていても、バラエティ系番組にはテレビ出演しない方針の私だが、唯一の例外が「ちちんぷいぷい」。
http://www.mbs.jp/puipui/

これは、大阪の毎日放送が誇る、超強力な看板番組である。

なぜか、昔からよく事務所にコメントを取りに来られていて、今も時折、静止肖像写真付きでコメントで登場する。

今日のコメント対象は「ペニーオークション問題」。すでに放映された。もちろん、放映時間に私は仕事をしていて、残念ながら見ることができない。

ヤフオクなど通常のネットオークションは、いわば場所貸しであり、オークション主催者と出品者は別である。入札のたびに入札手数料を取られることもない。

ところが、ペニーオークションは、ネットオークションといっても、それとは異なっている。

まず、一般に、オークション主催者=出品者という点で、通常のネットオークションとは異なる。

さらに大きく異なっているのは、事前にポイントを購入しておいて、入札のたびに入札手数料としてポイントが必要という点。

何度も入札すれば、落札の有無にかかわらず、それなりにお金を取られる。

というのも、高価な家電製品などが1円入札で出品され、終了予定時刻延長ぎりぎりに、多くの入札が集まる。そのたびに終了予定時刻が延長され、その繰り返しとなるからだ。

せっかくお金=ポイントを使って入札しても、何度も再入札せざるをえず、気が付けば、相当量のお金=ポイントを使いながら、かといって落札もできず、くたびれ損になってしまうことが通常。

個々の入札者が使うお金=ポイントは、1回の入札あたり数十円、1回のオークションあたり合計数百円でも、多くの人々が入札を繰り返せば、オークション主催者は、それなりの、まとまった入札手数料を手に入れることができるという仕組み。

クグってもらえば分かるが、サクラが居るのではないかなど、怒りに満ちたブログも複数登場している。

産経ニュースでも、昨秋、これを取り上げて問題視した。
http://sankei.jp.msn.com/economy/it/100930/its1009301404001-n1.htm

続いて「大阪府消費生活センター便り」でも、注意が呼び掛けられた。
http://kanshokyo.jp/fumagazine/r_detail.php?no=2010-10-29+02%3A02%3A30

報道によれば消費者庁も動き出す模様だ。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/household/479330/

このように、通常のネットオークションとは似て非なるもの。

これでは、私の知人であるヤフーの某法務本部長も、おそらく「一緒にするなよ」と言って嘆いていることだろう。

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2011年1月 5日 (水)

あけましておめでとうございます

本年も宜しくお願いします。

今日から仕事始めです。

さて、正月は、京都の下鴨神社に、初詣に行きました。

下鴨神社については
http://www.shimogamo-jinja.or.jp/

ちなみに、このサイトには「巫女さん日記」
http://www.shimogamo-jinja.or.jp/miko.html
もあります。

京都の正月は、珍しく積雪であり、雪道を歩いて初詣しました。この神社は長い参道です。大阪には積雪がなかったのと対照的でした。

下鴨神社は、「糾の森」の中にあります。南側には京都家庭裁判所もあります。

まさに司法関係者に打って付けといえましょう。

あとは寝正月ならぬ、音楽三昧でした。

以前に大量に買って、部屋で寝ていたCDたちを、久しぶりに聴きました。

PCに無圧縮のWAV、又は、可逆圧縮のFLAC・ALACで読み込んでいます。こうして読み込んだ音楽データは、既に合計300GB程度に肥大化しています。

そこから外付けDAコンバータ経由で、年代物のパワーアンプ(Victor JM-S7)に接続しています。これは、1970年代中盤で定価が23万円という、当時の大学生が買うには、むちゃくちゃな価格のものでした。京大生協で、割賦で買ったのを覚えていますが、現在も、何の問題もなく、鳴っています。

そして、やはり年代物ですが、25cmフリーエッジコーン型ウーファーを擁するスピーカー(Victor SX3)に出力して、聴いております。

DAコンバータのライン出力部はBurr-Brown社のOPA627APにゲタ付きで換装。

昔、インテル386をCx486DLCに換装してから、換装にはまっています。日本経済も換装が必要な本年です。

ということで、今年も皆さまのご多幸を祈念いたします。宜しくお願いします。

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