大規模災害と通信の確保
最初に、地震に遭われた皆さまに、改めて、心よりお見舞い申し上げます。
今回の地震が発生してから、しばらく携帯電話を掛けても、なかなか通じなかった。関西の人間にとっては、阪神大震災の際に携帯が通じなかったことが思い出される。今回は、携帯メールが通じたので、事務所に無事だとメールで伝えることができた。
しかし、被災地では、携帯用の鉄塔局・ビル局が壊滅していれば、音声通話はおろか、メールを送受信することも難しい。他のデータ通信にしても同様である。現に、日経新聞によれば、通信各社の被害は断線、停電などの影響で東北地方を中心に拡大し、ドコモで電波が止まった携帯電の基地局は午前9時時点で6680カ所で昨晩の2200カ所から増加して、音声、データ通信ともに利用できない状態が続いているという。
携帯で通信さえできれば、どこで救助を待っているか、連絡して助けてもらうことが容易になるから、何とかしなければならないところだ。安否確のために、通信各社は災害用伝言板を用意しているが、それにしても、通信ができて初めて利用できる。
NTTグループが、衛星通信システム、移動電源車、可搬型非常用ディジタル交換機を導入している。これによって避難所への無料公衆電話を設置することが可能になる。今回は、これが働いていればいいのだが。
その一方、ある程度通信が確保できたところでは、ワンセグによるテレビニュースの視聴、マスメディアのサイトによるニュース入手は大切だ。テレビ局の中には、自社サイトでニュース番組をストリーム配信をしているところが一般的になってきたが、アクセスが集中すると、視聴が困難になってしまう。こうした中で、今回、NHKがユーストリームやニコ動で、テレビ朝日がYouTubeなどで、それぞれニュース番組を流していることが注目される。
NHK-TVの Ustream ライブ配信
Streaming live video by Ustream
大規模災害発生時には、正確な情報を迅速に入手することが大切だ。今回のNHKによる英断を高く評価したい。今後も平時から、こうしたことが可能になるよう願いたい。
追記-2011/3/12 17:48
「NHK、ネット通じた地震映像の配信認めず」
だそうだ。せっかく褒めたのに、困ったものだ。
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