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2013年5月

2013年5月14日 (火)

『著作権法〔新訂版〕』専用問題集が完成

拙著『著作権法〔新訂版〕』 → Amazon

専用問題集(無料)が下記のとおり、完成しました。
 
1.『著作権法〔新訂版〕』専用問題集 第 I 分冊 Ver.0.8(PDF)
 
第1章 知的財産権制度と著作権制度
第2章 著作者の権利の客体-著作物
第3章 著作者の権利の帰属主体-著作者と著作権者
 
2.『著作権法〔新訂版〕』専用問題集 第 II 分冊 Ver.0.81(PDF)
 
第4章 著作者の権利1―著作権
第5章 著作者の権利2―著作者人格権
 
3.『著作権法〔新訂版〕』専用問題集 第 III 分冊 Ver.0.80(PDF)
 
第6章 著作隣接権等
第7章 著作権法上の権利処理と契約実務
第8章 権利侵害と救済 - 侵害訴訟の理論と実務
 
以上、次のサイトからダウンロードして下さい。
 
(サポートサイト - google.com)
 
(出版社サイト - 民事法研究会)
 
なぜ問題集まで作るのかと、ある人から質問を受けました。
当方は元々要領はよくない人間なのですが、司法試験を通過して積み上げてきて、実務家のトップと評価されたという点で自信を得ることができました。だからこそ、合理的、かつ、本当に理解してもらえる方法を提示したいと思ったのです。
 
それとともに、旧態依然とした方法から、法学教育は変わらなければならないと思っています。今回の試みが、幾ばくかでも、そのためのプラスになれば幸いです。

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2013年5月12日 (日)

著作権の制限規定は限定列挙か

少し話題は古いのですが、平成25年3月に、文化審議会著作権分科会から

「パロディワーキングチーム 報告書」

が公表されています。

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/housei/parody.html
 
ここで興味深いのは、報告書の中に、制限規定の拡張解釈、類推解釈をすべきであるという話が、さも当然のように出てきているところです。
 
かつては制限規定は厳格な限定列挙であり、しかも厳格解釈を要するという立場が多数説でした。法的安定性が理由です。

当方は、こうした考えは採用していません。

まず、厳格解釈は不要という考え方です。作花先生、中山先生など、新しい多数説というところでしょうか。

支分権を定めた規定も、制限規定も保護要件を定めたものに他ならず、両者で厳格な書き分けがされているわけではないからです。

その一方、限定列挙説が現在も多数説のはずです。

しかし、中古ソフト上告審判決は、実質的に例示列挙説に立っているといっていいと思います。

社会の変化の中で、事前に厳格に全事例を想定することなど、できるはずがありません。却って文化の発展の妨げになりかねません。

いずれにしても、時代は変わったものです。

ちなみに、限定列挙説と例示列挙説については、拙著「著作権法〔新訂版〕」205ページ(4.4.1.2.1)、制限規定の厳格解釈の是非については206ページ(4.4.1.2.2)を参照して下さい。

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2013年5月 9日 (木)

特別講演会「インターネット選挙運動解禁で選挙はどう変わる」

情報ネットワーク法学会は
特別講演会「インターネット選挙運動解禁で選挙はどう変わる」
を6月1日に開催します。
 
参加無料です。
 
参加申し込み多数の場合には、先着申込者を優先させていただきます。
申し込み
 
下記ガイドラインの解説等を予定しています。
 
インターネット選挙運動等に関する各党協議会
改正公職選挙法(インターネット選挙運動解禁)ガイドライン
(第1版:平成25年4月26日)
 
プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会
    報道資料:平成25年5月8日
   『プロバイダ責任制限法
     名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン別冊
   「公職の候補者等に係る特例」に関する対応手引き』
 

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2013年5月 6日 (月)

棋譜の著作物性に関するメモ

棋譜とは、ボードゲームの対局者が行った指し手を順に記載した記録を指す。対局者ではなく、第三者によって記載・記録されることが一般的である。

ここでは既存の将棋対局の場合について検討する。

まず、棋譜は対局者たる棋士の著作物といえるか。

対局の指し手それ自体は、棋士のアイデアであり、著作権法的に棋士の創作的表現といえるか疑問がある。

著作物に該当するといえるためには、表現上の創作性が要件である。

キースジャレットのようなジャズの即興演奏は、楽曲の創作に関する表現上の創作性があり、音楽著作物そのものである。ただ演奏時に創作するため、楽譜が存しないだけである。

これに対し、プロ棋士の指し手は、真剣勝負のためのアイデアそのものであり、表現上の創作性ではないので同一視できない。つまり、棋士の場合には、指し手の創作性は、表現ではなく、勝敗に向けられている。

将棋は、過去の名勝負など対局における指し手--自他を問わない--を参考にしつつ、さらなる力の向上を目指してゆくものである。過去の対局と類似した指し手が著作権侵害になるとすると、類似した差し手を後続の者が用いられなくなり、如何に不合理な結果をもたらすことになるか、理解しうるであろう。

次に、総譜の記載者の著作物といえるか。

当該対局の忠実な総譜の記載それ自体は、記載者にとって不可避的表現なので、記載者に表現上の創作性を肯定するのは困難である。

これに対し、将棋対局の観戦記や解説書は、表現の幅があるとして創作的表現とされうる。棋譜を、ありふれたものではなく、凝った作り込みの表現にしたような場合も、著作物性が認められることがありうる。

とはいえ、観戦記等の著作権的保護は、江差追分事件最高裁判決に照らすと、その中の創作性のある表現の部分のみに限られる。したがって、指し手それ自体を、別の者がその者の作品中で取り上げたにとどまるような場合には、たとえ指し手それ自体が同一であっても、観戦記等に関する侵害は成立しない。

付け加えると、著作権侵害が不成立の場合の一般不法行為の成否は、最高裁第一小法廷平成23年12月8日判決がリーディングケースであり、一般不法行為の成立する場面を極めて狭く捉えている。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20111208164938.pdf 

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2013年5月 5日 (日)

『著作権法〔新訂版〕』専用問題集

拙著『著作権法〔新訂版〕』
専用問題集を無償配布しています。
 
下記は出版元である民事法研究会サイト。
 
「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」(CCライセンス)のうち、「表示—非営利—改変禁止」を適用しています。
 
1.第 I 分冊 Ver.0.8(PDF)
 第1章 知的財産権制度と著作権制度
 第2章 著作者の権利の客体-著作物
 第3章 著作者の権利の帰属主体-著作者と著作権者
 
 〔ダウンロード〕
 
2.第 II 分冊 Ver.0.81(PDF)  UPDATE!
 第4章 著作者の権利1―著作権
 第5章 著作者の権利2―著作者人格権
 
 〔ダウンロード〕
 〔参考〕

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2013年5月 4日 (土)

拙著「著作権法〔新訂版〕」を出版

拙著「著作権法〔新訂版〕」を、連休直前、出版しました。
 
 出版社サイトのページ(民事法研究会)
 
ついでに専用サポートサイトも作りました。
 
専用問題集 第Ⅰ分冊、第ⅠⅠ分冊も作りました(無料)。
上記専用サポートサイトからダウンロードできますので、ご利用下さい。
 
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※ このページの更新頻度の関係上、お急ぎの情報は、岡村久道 (Lawcojp) on Twitter

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