旅券法の平成25年改正とITとの深い関係
旅券法の平成25年改正が、平成25年の通常国会で成立していました(平成25年法律第69号)。
改正内容は次のとおりとなっています(衆議院サイト)。
法案の提出理由は次のとおりです。
「旅券に関する国際民間航空機関の国際標準を踏まえ、旅券の名義人の氏名等に変更を生じた場合に旅券の記載事項を訂正する制度を廃止し、当該旅券を返納させて有効期間を当該旅券の残存有効期間と同一とする新たな旅券を発給できるようにする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」
この提出理由を読むだけでは、何のことか分かりにくいのですが、次のような意味です。
パスポートの「訂正旅券」(記載事項の訂正)制度を廃止して「記載事項変更旅券」制度を導入する。
では、なぜ「訂正旅券」を「記載事項変更旅券」に変更する必要があるのでしょうか。それは次の理由によるものです。
「現行の訂正旅券は、申請者がお持ちの有効なパスポートの追記ページに訂正内容をスタンプとタイプ印字により記載するものであり、顔写真のページやICチップに記録された情報は変更されません。来年導入予定の記載事項変更旅券は、申請時にお持ちのパスポートを返納いただき、その返納したパスポートと有効期間満了日が同一となるパスポートを新しく発行するものであり、訂正された内容は新しいパスポートの顔写真のページやICチップにも反映されます。さらに、パスポートの所持人自署も変更後の氏名での署名に、また、顔写真も新しいものに変えることができます。」(外務省「旅券法の一部改正についてのお知らせ (「記載事項の訂正」の廃止)」)
ということで、内蔵されたICチップ等にも反映されるようにすることが、その理由です。したがって、これも立派なIT関係の法改正なのです。
この改正は、平成25年 6月28日に公布されました。
ちなみに、パスポートを保有するのは本人であって、それを役所は「拝見」するだけなので、役所が保有するわけではなく、行政機関個人情報保護法にいう「保有個人情報」に該当しないことに注意。
〔参考〕
外務省「旅券法の一部改正についてのお知らせ (「記載事項の訂正」の廃止)」
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