番号法の成立と今後の課題
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「現行のEUデータ保護ルールを大幅に見直すことは、人々が自己の個人データをコントロールの下に置くとともに、企業が欧州全域でデータを移動させることを容易にするものであり、月曜日に人権委員会によって選ばれた。マス・サーベイランスのケースに対処するために、欧州議会議員は、EU域外諸国へのデータ移転について、より強化された安全措置を新設した。彼らはまた、明示的な同意の要件、消去する権利、およびルールに違反した企業に対する罰金額の増額を新たに設けた。」
「今夜の投票は、デジタル時代における課題への対応を確実化するという点で、欧州のデータ保護規則にとって画期的なものである。この制定法は、データ保護に関するEU規則に架橋しようとするものであり、現行における(EU域内の)各国内法のパッチワークに置き換わるものである」。
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・公正信用報告法(Fair Credit Reporting Act, FCRA)・金融サービス近代化法(Gramm-Leach-Bliley Act, GLBA)・ 児童オンラインプライバシー保護法(Children's Online Privacy Protection Act, COPPA)・スパム対策法(CanSPAM Act)・Telemarketing and Consumer Fraud and Abuse Prevention Act(DoNotCall)・ 家庭教育プライバシー法(Family Educational Rights and Privacy Act, FERPA)・ 金融プライバシー権法(Right to Financial Privacy Act)・ プライバシー保護法(Privacy Protection Act, ECPA)・ ビデオプライバシー保護法(Video Privacy Protection Act, VPPA)・ 電話加入者保護法(Telephone Consumer Protection Act)・ 医療保険の相互運用性及び説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act, HIPAA)・ 電気通信法(Telecommunications Act)
① 告知:利用目的等の告知② 選択:オプトイン、オプトアウトの機会の提供③ 第三者への提供:告知と選択の原則の適用等④ セキュリティ⑤ データの完全性⑥ アクセス;開示、訂正、変更、削除請求⑦ 執行
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本件掲載写真は,本件掲載写真の態様のとおりの改変を加えられている部分を除けば,複製をするに際しての若干の色調の相違はあるものの,本件写真と実質的に同一と認められる。そうすると,被告による本件掲載写真の利用は,本件写真のうちの本件エンジン本体撮影部分(背景部分及び説明部分等を除く。)についての原告の複製権を侵害するものである。
補助参加人は,本件写真が補助参加人のために撮影されたものであるなどとして,公表について,補助参加人の裁量に委ねることに同意した旨主張する。
しかしながら,本件写真が補助参加人のために撮影されたものであっても,その使用目的である「HONDA CB750Four FILE.」への掲載の範囲を超えて,原告がその公表を補助参加人の裁量に委ねたことにはならないから,原告が本件写真の公表に同意したとは認められないし,その他これを認めるに足りる証拠はない。したがって,補助参加人の主張を採用することはできない。
補助参加人は,本件写真は個性がほとんど発揮されることのない一部部品の写真にすぎないなどとして,原告の氏名表示がなくとも原告の利益を害しないし,公正な慣行に反するともいえないから,氏名表示の省略が認められる旨主張する。
しかしながら,本件書籍に本件写真を掲載するについて,氏名表示の必要性がないことや氏名を表示することが極めて不適切な場合であることを肯定する事情は見当たらないから,原告の利益を害するおそれがないとは認めらないし,公正な慣行に反しないとはいえない(なお,補助参加人発行の書籍では概ね氏名が表示されていることが認められる……。
補助参加人は,本件写真からエンジン部分(背景部分の一部を含む。)が切り出されているものの,本件写真はエンジンを説明するために撮影された写真なのであるから,エンジン部分を切り出して表示することは原告においても承諾していた旨主張する。しかしながら,このような承諾を認めるに足りる証拠はないし,「HONDA CB750Four FILE.」(甲1)において,本件写真と同時に撮影された丙10の写真から本件エンジン部分(背景部分の一部を含む。)だけが切り出されて掲載されていることをもって,原告が本件掲載写真の態様のような写真の掲載についても承諾したとまで推認することはできない。
また,補助参加人は,本件写真の性質,その利用の目的及び態様に照らし,本件写真の改変は,やむを得ないと認められる改変である旨主張する。しかしながら,本件写真の改変は,本件写真から本件エンジンだけを切り出しただけではなく,本件掲載写真の態様の改変を加えたものであって,やむを得ない改変であるとは認められない。
Dの供述では、原告に対する説明は撮影した写真の「買取り」にとどまり、具体的に著作権の譲渡について説明したものではない。また、Dは、著作者人格権の説明はしていない旨供述するから、たとえDが原告に対して「買取り」と説明していたとしても、それが著作者人格権を行使しない趣旨を含むものとは解されない。
他人の著作物を利用するには、その著作権者の許諾を得ることが必要であるから(著作権法63条1項・2項)、他人の著作物を利用しようとする者は、当該著作物に係る著作権の帰属等について調査・確認する義務があるというべきである。
被告は、本件写真を本件書籍や被告のウェブサイトのウェブページに掲載することにより、本件写真を利用しているのであるから、本件写真を利用するに当たり、本件写真に係る著作権の帰属等を調査・確認する義務があったと認められる。しかしながら、被告は、原告の許諾を得ることなく、本件写真を利用したのであるから、上記の調査・確認義務を怠った過失がある。
著作権法114条2項は、侵害者が侵害行為によって利益を受けているときは、その利益額を著作権者の損害額と推定するとして、立証の困難性の軽減を図った規定であるから、著作権者に、侵害者による著作権侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在する場合には、同項の適用が認められると解すべきである。
これを本件についてみるに、原告は、職業写真家であるから、出版業を行っていないし、その他原告に被告による侵害行為がなかったならば本件掲載写真の出版による利益と同等の利益が得られたであろうという事情は見当たらないから、著作権法114条2項の適用は認められない。
これに対し、原告は、著作権法114条2項の適用について、著作権者の著作物の利用(販売)を要件としない旨主張する。
確かに、著作権法114条2項は、文言上、著作権者の著作物の利用を要件としていないから、著作物の利用が要件であるとは解されない。しかしながら、同項は、侵害者が侵害行為によって利益を受けているときは、その利益額を著作権者の損害額と推定する規定であるから、少なくともそのような推定を可能とする事情が必要であると解される。
また、補助参加人発行の「HONDA CB750Four FILE.」(甲1〔奥付記載の発行日は平成20年2月28日〕)には、原告が本件写真と同時に撮影した写真(丙10)が掲載されている。しかしながら、これは、本件写真に係る事情ではないし、被告の侵害行為よりも2年以上前の事情であることに照らすと、これをもって原告に被告による侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情に当たるとはいい難い。
本件掲載写真のうちのエンジン本体部分(背景部分及び説明部分等を除く。)は、本件書籍の本文13頁中の1頁に掲載され、その1頁においても主要部分を占めるが、被告のウェブサイトの「週刊 ホンダ CB750FOUR」シリーズの紹介ページにも掲載されていることに照らすと、本件書籍の本文における掲載割合以上の寄与があるといえる。しかしながら、本件書籍には、付録として「CB750FOUR」の模型のパーツとスタートアップDVDが付属しており、これらの付録も本件書籍の売上に寄与している。
(計算式)690円×5万7731部×5%(寄与率)×15%(利用料率)=29万8757円(1円未満切捨て)
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原告は、写真専門学校を卒業後、建築、自動車関連の撮影アシスタント、スポーツ専門の写真撮影会社勤務等を経て、本件写真の撮影当時は、フリーランスの写真家として活動していたこと、原告は、本件写真を撮影する前に、本件エンジンの銀色を際立たせるために、それに適した黒色の背景を提案したこと、本件写真の撮影場所が狭かったため、本件写真の撮影には三脚を使用することができなかったこと、原告は、本件写真の撮影に際し、手動によりシャッタースピードと絞り、ホワイトバランス等の露出を調整したこと、原告は、本件写真を撮影する直前に、ライティングの濃度、本件エンジンの角度、陰影等を確認するために、本件エンジンを被写体として数枚写真を撮影したこと、その後、原告は、本件エンジンの位置を決め、ライティングを調整し、本件エンジンの側面に光を当てるなどの工夫を凝らした上で、ファインダー内において本件エンジンが上下左右四辺から等距離に来た瞬間を捉えて本件写真を撮影したことが認められる。
以上に照らすと、本件写真の撮影者である原告が本件写真を創作したと認めるのが相当である。
これに対し、補助参加人は、本件写真における、被写体の選択・配置、構図・カメラアングルの選択、ライティング・背景の決定等は、全て補助参加人が行っており、原告は、補助参加人の指示に従い、物理的な撮影行為を行ったのみである旨主張し、これに沿うBの陳述書(丙26)及び証人尋問における供述がある。
しかしながら、Bの供述によっても、Bが写真撮影について専門的な教育を受けたとは認められない。また、Bは、本件写真の撮影に際し、原告撮影の写真について、デジタルカメラのディスプレイで確認したと供述するものの、そのファインダーを覗くことはなかった旨供述するのであるから、そのようなBが原告に対して写真撮影の具体的な指示ができたとは容易に認められない。Bは、書籍の編集者としての立場から、読者が好む写真を作成するための希望を述べたものであって、それを超えて写真の創作的内容についての具体的指示をしたものと認めることはできない。
一般に、誰が著作者なのか争いがあるときは、14条・75条3項の推定規定によることができる。これらの推定規定の適用がない場合には、主として著作物の作成過程を事実認定することによって、かかる活動を誰が行ったのかを確定し、誰が著作者なのかを上記基準に照らして判断する(拙著『著作権法〔新訂版〕』118頁)。
本判決も、基本的に同様の手法によっているが、「Bが写真撮影について専門的な教育を受けたとは認められない」等として、作成能力を加味して判断しており、正当であろう。
著作権法15条1項は、法人等において、その業務に従事する者が指揮監督下における職務の遂行として法人等の発意に基づいて著作物を作成し、これが法人等の名義で公表されるという実態があることに鑑みて、同項所定の著作物の著作者を法人等とする旨を規定したものである。
①法人等と雇用関係にある者がこれに当たることは明らかであるが、②雇用関係の存否が争われた場合には、同項の「法人等の業務に従事する者」に当たるか否かは、法人等と著作物を作成した者との関係を実質的にみたときに、法人等の指揮監督下において労務を提供するという実態にあり、法人等がその者に対して支払う金銭が労務提供の対価であると評価できるかどうかを、業務態様、指揮監督の有無、対価の額及び支払方法等に関する具体的事情を総合的に考慮して、判断すべきものと解するのが相当である(最高裁平成13年(受)第216号同15年4月11日第二小法廷判決・裁判集民事209号469頁参照)。
原告は、平成16年頃から平成22年7月頃まで、補助参加人の依頼を受けて、写真撮影を行い、撮影した写真フィルムないしデータを納品したこと、撮影のためのデジタルカメラ、レンズ、ストロボ等は原告が自らの費用で準備していたこと、補助参加人は、原告に対し、交通費のほか、報酬(日当名目)として1日2万2000円(平成19年8頃からは2万5000円)を支払っていたこと、報酬の支払時期は、撮影した写真を掲載した書籍の発行後であり、実際の撮影日から4か月程度後であったこと、平成18年(本件写真が撮影された年)において、原告の補助参加人の依頼による撮影日数は108日であり、それによって得た報酬は237万6000円であったことが認められる。
以上のとおり、平成18年(本件写真が撮影された年)において、原告は、補助参加人からの依頼を受けて写真撮影の業務を行っていたものの、撮影機材は自ら準備し、写真撮影に当たっても自らの判断でその創作的内容を決定していたことが認められる。補助参加人は、原告に対し、報酬として1日2万2000円を支払っているが、その支払時期は、撮影した写真を掲載した書籍の発行後であり、原告の補助参加人の依頼による撮影日数は108日にすぎない。
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インターネット上の掲示板に投稿された情報が,他人のプライバシー権を侵害するものであるか否かは,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として判断するのが相当であるところ,本件投稿は,原告の名字である「甲山」(レス番号141)と原告の名前の一部である「X~」(レス番号146,193,226)あるいは「X○~」(レス番号272)が分割されて投稿されており,各投稿が近接しているわけでもない上,「X~」あるいは「X○~」という記載のみでは,それが名前の一部であるかどうかも明らかではないから,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準とすれば,本件投稿を目にする者において,「甲山X雄」という原告の氏名を認識することは困難であるといわざるを得ない。
よって,本件投稿は,原告が「b」で「B」として勤務していたという情報を公開したものということはできない。
1.プライバシー権侵害が成立するためには、被害者(本人)たる原告の氏名を認識することができなければならない。
2.上記1は、一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準とすれば,本件投稿を目にする者において、認識しうるものでなければならない。
プライバシー等が侵害されたというためには「個人情報が個人識別性を有することが必要である。」「当該個人情報の開示によりプライバシーが侵害されたか否かが問題となる場面における個人識別性については,当該情報のみで識別できる場合に限らず,一般人が特別な調査を要せずに容易に入手し得る他の情報と照合することにより当該個人を識別できる場合も,これを肯定するのが相当である。」
しかしながら、他人の名義を冒用した表現行為によって名義人(被冒用者)の名誉、信用、プライバシー権及び人格権が侵害されたというためには、少なくとも、通常の判断能力を有する一般人が、当該表現行為の主体と名義人(被冒用者)とが同一人物であると誤認し得る程度のものであることを必要とする
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ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉毀損においては,その行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあった場合に,その意見ないし論評の前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったときには,人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り,その行為は違法性を欠くと解される(最高裁昭和55年(オ)第1188号同62年4月24日第二小法廷判決・民集41巻3号490頁,最高裁昭和60年(オ)第1274号平成元年12月21日第一小法廷判決・民集43巻12号2252頁参照)。
本件記事及び本件動画の掲載が原告の名誉を違法に毀損するものといえないことは前記4で論じたとおりであり,原告の主張はその前提を欠くものであるが,この点を措いて考えたとしても,そもそも本件記事は原告の実名に言及しておらず,本件コメント欄記載も原告の変名に触れるものこそあれ,その実名に触れるものはない。本件記事及び本件コメント欄記載と一体性のある体裁で本件動画(原告の容貌及び実名を含む。)へのリンクが貼られていた当初においては,本件コメント欄記載が原告に係る書き込みであることを一般読者が理解することはできたといえるが,前記2記載のとおり,被告は,平成23年6月27日に原告から抗議を受けると,直ちに本件ウェブサイトにおける本件動画へのリンクを削除し,その結果として,本件コメント欄記載が原告に係るものであることを特定できないようにしている。つまり,被告は,本件コメント欄記載によって原告の社会的評価が低下することを防止するための対応を適時にとっており,さらに加えて,本件コメント欄記載を全て削除する義務まで負うものではなく,同義務違反もないといえる。
また,仮に本件コメント欄記載で触れられている原告の変名により,本件動画へのリンクの削除後も原告を特定できる余地があるとしても,本件コメント欄記載のコメント数は20ほどで,その内容は一様でなく,明らかに原告の名誉を毀損しないものを含む一方,本件コメント欄記載の前提となっている本件動画やその撮影に係る原告の行動に照らせば,原告の名誉を違法に侵害することが明白とまでいえるものを含むとは認められない。しかも,本件コメント欄記載の各コメントはそれぞれ独立していて,個別に削除することは可能であり,被告も原告が削除を求めるコメントを具体的に特定すれば削除を検討するとの意向を示している(平成25年1月18日第6回弁論準備手続期日)にもかかわらず,原告はそのような具体的特定をしようとしない。このような事情からすれば,やはり本件ウェブサイトを運営管理する被告において,本件コメント欄記載を削除すべき義務を負う状況にあるとはいえない。
被告は,本件動画を公表したわけではなく,既に何者かによって「ニコニコ動画」にアップロードされ,公表されていた本件動画へリンクを貼ったにとどまるのであって,しかも本件動画は,肖像権者である原告の明示又は黙示の許諾なしにアップロードされていることがその内容や体裁上明らかではない映像であり,少なくとも,そのような映像にリンクを貼ることが直ちに肖像権を違法に侵害するとは言い難い。そして,被告は,前記判断の基礎となる事実記載のとおり,本件ウェブサイト上で本件動画を視聴可能としたことにつき,原告から抗議を受けた時点で直ちに本件動画へのリンクを削除している。このような事情に照らせば,被告が本件ウェブサイト上で本件動画へリンクを貼ったことが,原告の肖像権を違法に侵害したとはいえないし,第三者による肖像権侵害につき故意又は過失があったともいえず,不法行為が成立するとは認められない。
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原告は,被告による本件動画へのリンクに先立ち,本件生放送をライブストリーミング配信しており,しかも原告の配信動画の視聴者数については,「常時400人以上であり,特に企画番組は人気で,この日は数千人の視聴者を超え」(訴状)ていたとされる。そうすると,著作者である原告自身が,本件生放送を公衆送信(法2条1項7号の2)の方法で公衆に提示し,公表(法4条1項)したのであるから,本件生放送の一部にあたる本件動画について,公表権侵害は成立しない。
本件記事自体に原告の実名,変名の表示はなく,本件ウェブサイトに表示された本件動画のタイトル部分に被告の変名が含まれていたに過ぎない(甲1)が,前記2記載のとおり,被告は,本件動画へのリンクを貼ったにとどまり,自動公衆送信などの方法で「公衆への提供若しくは提示」(法19条)をしたとはいえないのであるから,氏名表示権侵害の前提を欠いている。
また,原告自身,本件生放送において,原告自身の容貌を中心に撮影した動画を配信し,原告の実名をも述べていることに加え,「ニコニコ生放送」で本件生放送やその他の動画を配信する際にも「P2」の変名を表示していたことがうかがわれる(甲1,3,4,乙1,弁論の全趣旨)のであるから,上記「公衆への提供若しくは提示」を欠くことを措いて考えたとしても,本件ウェブサイト上の上記表示が原告の氏名表示権の侵害になるとは認められない。
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本件動画(その前提となる本件生放送を含む。)は,原告が上半身に着衣をせず飲食店に入店し,店員らとやり取りするといった特異な状況を対象に,主として原告の顔面を中心に据えるという特徴的なアングルで撮影された音声付動画であって(甲3,4),一定の創作性が認められる。また,前記判断の基礎となる事実記載のとおり,原告が利用したニコニコ生放送には,タイムシフト機能と称するサービスがあり,ライブストリーミング配信後もその内容を視聴することができたとされるから,本件生放送は,その配信と同時にニワンゴのサーバに保存され,その後視聴可能な状態に置かれたものと認められ,「固定」されたものといえる(法2条3項)。したがって,本件生放送の一部である本件動画は,「映画の著作物」(法10条1項7号)に該当し,その著作者は原告と認められる。
被告は,「ニコニコ動画」にアップロードされていた本件動画の引用タグ又はURLを本件ウェブサイトの編集画面に入力することで,本件動画へのリンクを貼ったにとどまる。この場合,本件動画のデータは,本件ウェブサイトのサーバに保存されたわけではなく,本件ウェブサイトの閲覧者が,本件記事の上部にある動画再生ボタンをクリックした場合も,本件ウェブサイトのサーバを経ずに,「ニコニコ動画」のサーバから,直接閲覧者へ送信されたものといえる。すなわち,閲覧者の端末上では,リンク元である本件ウェブサイト上で本件動画を視聴できる状態に置かれていたとはいえ,本件動画のデータを端末に送信する主体はあくまで「ニコニコ動画」の管理者であり,被告がこれを送信していたわけではない。したがって,本件ウェブサイトを運営管理する被告が,本件動画を「自動公衆送信」をした(法2条1項9号の4),あるいはその準備段階の行為である「送信可能化」(法2条1項9号の5)をしたとは認められない。
「ニコニコ動画」にアップロードされていた本件動画は,著作権者の明示又は黙示の許諾なしにアップロードされていることが,その内容や体裁上明らかではない著作物であり,少なくとも,このような著作物にリンクを貼ることが直ちに違法になるとは言い難い。そして,被告は,前記判断の基礎となる事実記載のとおり,本件ウェブサイト上で本件動画を視聴可能としたことにつき,原告から抗議を受けた時点,すなわち,「ニコニコ動画」への本件動画のアップロードが著作権者である原告の許諾なしに行われたことを認識し得た時点で直ちに本件動画へのリンクを削除している。このような事情に照らせば,被告が本件ウェブサイト上で本件動画へリンクを貼ったことは,原告の著作権を侵害するものとはいえないし,第三者による著作権侵害につき,これを違法に幇助したものでもなく,故意又は過失があったともいえないから,不法行為は成立しない。
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